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Woolworths、既存店をターゲットにCO2導入

オーストラリアの食品大手Woolworthsは、これまでに39店舗にトランスクリティカルCO2システムを採用。そのうち2店舗は、既存店舗の機器の更新にて対応している。今後、同社は既存店を対象に、CO2冷凍冷蔵システム導入を図る。

(「アクセレレート・ジャパン」2021年特別号より)

2030年までに60%の排出削減を目指す

Woolworthsは国内に1,050店舗のスーパーマーケットを展開している。同社の自然冷媒移行は、同社の「更新・改装プログラム」に沿って行われていると、ナショナル・サステナブル・エンジニアリング・マネージャーのダリオ・ファーリン氏は説明する。ファーリン氏は、2021年3月30~31日に開催されたバーチャル自然冷媒トレードショー「ATMO VTS 2021」のエンドユーザーパネルディスカッションにて、Woolworthsの冷蔵戦略について紹介。

 

Woolworthsの2つ既存店は、店舗の営業時間を中断することなく、トランスクリティカルCO2システムに更新できたという。同社は今後も、可能な限りすべての新店舗に、トランスクリティカルCO2冷蔵システムを導入するという。同時に、WoolworthsはCO2冷蔵システムのなかでも、熱回収を利用して空調へ転用できるソリューションの導入に努める。

 

39店舗のうち、19店舗のシステムを暖房にも活用している。おかげで、空間暖房用の温水を天然ガス焚きの温水ボイラーに頼る必要がなくなった。さらに19店舗中11店舗は、冷房の用途にも使用しているという。

 

ファーリン氏は、同社が発表した2019年度のサステナビリティレポートに言及。2030年までに、CO2排出量を2015年比で60%削減すると発表た。WoolworthsのCO2総排出量の約4分の1は、敷地外の化石燃料による間接排出であるのに対し、4分の1が直接排出であるという。直接排出の大部分を占めているのが、高GWPの合成冷媒に由来している。

 

これに対して、ファーリン氏は「低燃費の合成樹脂、すなわちR134aとCO2カスケードの採用でいくつかの重要な前進がありましたが、数十年前からある既存店舗の機器転換が必要です」と述べる。Woolworthsの目標達成の鍵を握るのは、この既存店舗のスムーズな脱フロンと言えそうだ。