英国に拠点を置くコンプレッサメーカー、Vert Technologies社(以下、Vert社)は、自社のコニカルロータリーコンプレッサ(CRC)技術の冷凍・ヒートポンプ分野での存在感を高めるために、190万ポンド(約3億円)を資金調達し自然冷媒用途へ投資すると発表した。
自然冷媒に最適なソリューションと自信のぞかせる
Vert社のCEOであるフィル・ハリス氏は、同社のCRC技術を自然冷媒に対応させる本プロジェクトへの支援に、歓迎と感謝の意を表した。
同社公式HPでは、同社のCRC技術が、CO2やアンモニア等の冷媒を使用する家庭用、業産業用軽冷凍機器に対して、「潜在的なニーズへのソリューション」を提供できると記している。
ヒートポンプに対しても、CO2、アンモニアといった冷媒への長期的な運用として、CRC技術がより効率的なソリューションであると、自信をのぞかせる。
従来のツインスクリュー・エアコンプレッサーは、回転するスクリューを横に並べて圧縮空気やガスを発生させる技術を用いている。Vert社のCRC技術は、円錐形のローターを別のローターの中に配置し運転している。
それぞれのローターは異なる速度で同方向に回転し、空気やガスが円錐形スクリューを通過する際に圧縮の力を加える。この技術は、低騒音、低振動の圧縮空気ソリューションでありながら、1段で非常に高い圧力を発生させることができるとVert社は説明する。
その上で、同社のコンプレッサーによる圧力比は、自然冷媒使用のヒートポンプと冷凍機にとって最適な技術であるとする。
多国籍企業との協業も実施
ハリス氏は、Vert社は冷凍・ガス圧縮分野の大手多国籍企業と連携し、「大量生産アプローチへの目処が立っている」と話す。
Vert社の資金調達先には、英国政府のビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)のエネルギー企業家ファンドの他、Par Equity社、Equity Gap社、Aeroden社、Scottish Enterprise社党が含まれる。
今後、15カ月間に渡るプロジェクトにより、同社はCRC技術をさらに改良し、家庭用ヒートポンプシステムに採用する予定だ。そして、このシステムは政府が掲げる二酸化炭素排出量ゼロの目標を達成するために、全国へ展開される予定である。
Vert社のCRC(Conical Rotary Compressor)技術は、今後世界の気候変動対策において重要な役割を果たすでしょう。
Vert Technologies社 CEO フィル・ハリス氏
参考
U.K. Manufacturer Vert Raises £1.9 Million to Bring Conical Rotary Compressor to NatRef Applications
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
原著者:マイケル・ギャリー
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