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欧州

英Tesco、1,000店舗でTC CO2冷凍機を導入

英国を拠点とする大手食料品小売企業Tescoは、2035年までにチェーン全体のHFCフリー化を目指し、食品販売店の約3分の1にあたる約1,000店舗に、トランスクリティカル(TC)CO2システムを導入していることを明らかにした。

 

この情報は、先週開催された「Chillventa2022」のドイツTEKOのブースで行われた、ATMOsphere Networkイベントでのインタビューで発表された。Tescoの冷凍エンジニアリングマネージャー、フィリップ・ホルツァー氏がインタビューに応じてくれた。

 

「私達は、6年前に新しい冷凍システムはすべてCO2にすると決めました」と、ホルツァー氏はATMOsphereのCEO、マーク・シャセロットからの質問に答えた。「私達は、2035年までにすべてのHFCを廃止する予定です。CO2システムを最初の選択肢としつつ、炭化水素ベースの内蔵型ケースがそれを補うことになるでしょう」(ホルツァー氏)

 

Tescoは主に英国で事業を展開しており、売上高でトップの食料品チェーンである。また、アイルランド、チェコ共和国、スロバキア、ハンガリーにも店舗を構えている。同社の自然冷媒移行は、2035年までに温室効果ガス排出量をゼロにするというTescoの取り組みに対する「大きな推進力」であるとホルツァー氏は言う。

 

電力はすべて再生可能エネルギー源から供給され、メーカーらと協力してネットゼロプログラムにも取り組んでいる。Tescoでは、冷凍機から回収した熱や自然冷媒(特に炭化水素)を使用したヒートポンプを利用している。

極端な高温への挑戦

ホルツァー氏は、2021年の夏に英国では周囲温度40℃という記録的な高温となったことに言及。周辺温度32℃を想定し、36℃まで対応できるCO2システムの運用が難しくなり、故障するケースがあったことを認めた。

 

今後はさらなる高温に対応すべく、Tescoが選択するシステムの種類も変わってくるだろうと、ホルツァー氏は述べる。夏の例外的な高温によるトラブルにもかかわらず、同社はCO2という選択を自信を持って推進していく考えだ。

参考

Tesco Has Transcritical CO2 Refrigeration at 1,000 Stores, One-Third of Its Estate
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。

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