2021年11月30日、東京電力ベンチャーズ株式会社は、ニッスイ・エンジニアリング株式会社、株式会社前川製作所との協業により、冷凍機の自動制御によるデマンドレスポンス(DR)を株式会社松岡が運営する物流センターである「福岡Central DC」に実装。12月1日より稼働を開始したと発表した。
「NewTon」を採用し環境にも配慮
事業者が、電力使用量を発電状況に応じて変化させることをデマンドサイドマネジメント(Demand-Side Management)と呼ぶが、その一形態であるDRが、新しい電力の需給をバランスさせる方法として注目され、制度に導入されてきた。
今回導入する冷凍機の自動制御によるDRは、冷凍冷蔵倉庫としては初の取り組みとなるものである。冷凍冷蔵倉庫が調整力公募や容量市場等に参加するにあたり、DR発動時に一切人の手を介さずに需要を抑制することを可能とする。
ニッスイ・エンジニアリングが設計および建設を行い、2019年3月に稼働開始した松岡・福岡Central DCは、冷凍冷蔵倉庫では国内最大級の規模を持つ。同社では前川製作所「NewTon」が採用されているが、今回の冷凍機の自動制御実現にあたり、「NewTon」の最新の冷凍機制御システムを活用し、一部改修が行われた。DR発動時には、東京電力ベンチャーズからのDR発動信号をNewTonが受信し、自動で冷凍機を停止し、目標値まで使用電力を削減する。DR発動終了後は、自動的に冷凍機を起動し、通常運転に復帰する。
東京電力ベンチャーズは今後、ニッスイ・エンジニアリングのノウハウおよび前川製作所の技術力によって実現した冷凍機の自動制御によるDRのさらなる活用として、需給調整市場への参入を目指していく考えだ。