米国環境保護庁(EPA)のGreenChillプログラムは、カリフォルニア州ビスタにある改装されたTargetの店舗に、ストアリーダーシップ賞を授与。ALDI USも、GreenChill認証を受けた店舗が最も多く、そのほとんどがTC CO2冷凍機を使用していることが評価された。
これらの賞は、2022年9月19日~21日までフロリダ州オーランドで開催されたFMI(The Food Industry Association)エネルギー・店舗開発会議において、GreenChillプログラム・マネージャーのカーシー・マンリクリック氏から発表された。
15周年を迎えたGreenChillは、米国の食品小売業界と協力し、冷媒排出量の削減と代替冷凍システムの検討を行う自主的なパートナーシップ・プログラムである。このプログラムには、33社の食品小売企業が参加しており、13,515店舗が登録されている。
GreenChillは店舗認証プログラムも実施しており、冷媒の低漏えい・手充填量を達成した店舗や、HFCやオゾン層を破壊する冷媒を使用しないシステムを採用している店舗を、ゴールド、シルバー、プラチナとして認証。このプログラムは、パートナー店舗と非パートナー店舗を対象両方を対象としている。
ストアリーダーシップ賞は、GreenChillの認定を受けた店舗のうち、「革新的な取り組みを行った店舗」に贈られる賞である。以前は「ベスト・オブ・ザ・ベスト」賞と呼ばれ、通常、自然冷媒ベースのシステムを使用している店舗に贈られてきた。Targetは、2019年にも受賞している。
同社は声明にて、カリフォルニア州ビスタの店舗は、これまでで最も持続可能な店舗であること。店舗には地域の電力網に逆送電できる、最大10%のエネルギー余剰が毎年発生する見込みで、建物の排出量を削減するための複数のイノベーションをテストする予定だと発表した。
ビスタの店舗は、3,420枚のソーラーパネルで再生可能エネルギーを生み出し、建物の空調システムにも電力を供給(天然ガスを使用する代わりに、ソーラーパネルを使用)。Targetは2040年までに、チェーン全体で「直接事業からの排出を20%削減する」計画を立てている。
Targetビスタ店は、GreenChill 認証を受けた最初の店舗として、建築環境におけるエネルギー性能に関する世界で最も厳しい認証機関の一つである International Living Future Institute のネット・ゼロ・エネルギー認証に申請している。
ALDIが店舗認証で上位を独占
GreenChillはまた、イリノイ州バタビアに本社を置くALDI USを、過去1年間(2021年7月1日~2022年6月30日)にGreenChill認証を受けた店舗数が最も多い食品小売業者として、スーパーマーケット部門の「店舗認証優秀賞」に認定。ALDIは4年連続の受賞となった。
ALDIは505店舗をプラチナレベルで認定しましたが、これはGreenChillの歴史の中で、1年間に認定されたプラチナレベルの店舗数としては最も多い。2022年のサステナビリティ進捗報告書によると、同社の全2,000店舗のうち500店舗近くが、主要冷媒としてCO2を使用しており、認証店舗のほとんどを占めている。
さらに、この500店舗のほとんどは前年にも認証を受けている。実際、EPAは5年連続でGreenChillの店舗認証を受けた21のALDI店舗に、「再認定優秀店舗」の栄誉も授与。2022年上半期には、19のALDI店舗が初めてGreenChill認証を取得し、2022年末までにさらに100以上の店舗が最初の認証を申請する予定であり、これにより、全国のALDI店舗の認証数は約610となる可能性がある。
新たにプラチナ認定を受けた店舗の中には、環境に優しい冷媒(主にTC CO2)に切り替えた500店舗目がアラバマ州モービルにある。この事実は、CO2冷凍システムの稼働には高い圧力が必要で、温暖で湿度の高い気候の中でそれを実現するのは難しいという通説に対して、非常に重要な意味を持つとALDIは述べている。
米国Hillphoenixは、過去1年間にGreenChill認定店舗に他のどのパートナーよりも、多くの高度な冷凍システムを設置した業務用冷凍システムメーカーとして、非スーパーマーケット部門で「店舗認定優秀賞」を受賞した。なお、同社は11年連続の受賞となる。
2021-2022年を含めると、GreenChill認定店舗の80%以上にHillphoenixのシステムが設置されているという。同社は、2022年末までに北米で1,000台以上、2025年には2,000台以上のTC CO2システムの設置を予定。Dover Food Retail Hillphoenixの社長兼CEOであるポール・シンドーニ氏は、2030年までに北米で1万台のTC CO2装置を設置することは「現実的な目標」であると述べた。
参考
Target, ALDI US Recognized by EPA GreenChill Program for Certified Stores Using Transcritical CO2
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
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