BASE、EMPAがインド零細農家の課題解決アプリを開発

「Your Virtual Cold-Chain Assistant」により、小規模農家がコールドチェーン設備を利用できるようになり、食品ロスを防ぐことができる

スイスのバーゼル持続可能エネルギー機関(BASE)ならびに連邦材料科学技術研究所(EMPA)は、モバイルアプリケーション「Your Virtual Cold-Chain Assistant」を開発。インドコールドチェーンの「フードロス問題」の解決策として、活用が期待されている。

インド農家のフードロス問題を解決するアプリ

国連食糧農業機関(FAO)によれば、インドは世界最大の食糧生産国のひとつであると同時に、冷蔵設備不足、サプライチェーンの問題から、生産された食糧の25〜35%が無駄になっている。先進国では生産された食料品の約60%がコールドチェーンにより管理されているが、2021年時点のインドの数字は、わずか約6%に過ぎない。

 

現地農家が食品保存の持続可能な冷却ソリューションにアクセスするためには、高額な設備投資、限られた資金調達手段、新技術の不確実性、冷却システムや湿度センサーデータに関する限られた技術的ノウハウ不足、収穫後の保管方法に関する専門知識不足、電力へのアクセス制限など、多くの問題が横たわっている。

 

これらの課題を克服するために、スイスのバーゼル持続可能エネルギー機関(BASE)と連邦材料科学技術研究所(EMPA)は、モバイルアプリケーション「Your Virtual Cold-Chain Assistant」を開発した。これはインドの零細農家が関連情報にアクセスし、農産物のための持続可能な冷却施設を利用できるようにすることで、食品廃棄物を最小限に抑え、収入を増やすことができるようにしている。

 

このプロジェクトの資金調達のため、BASEとEMPAはdata.orgが主催する世界的な「Inclusive Growth and Recovery Challenge」の他の7つの受賞者とともに、1,000万米ドルの助成金を分配。このチャレンジは、ロックフェラー財団とMastercard Center for Inclusive Growthとのパートナーシップにより、データサイエンスの力を活用して社会の最大の課題に取り組み、人々やコミュニティの成長を支援することを目的として設立された。

各種データで最適な事業活動をサポート

「Your Virtual Cold-Chain Assistant」には、天候や気候データ、地理的な位置情報、生鮮食品の収穫量、湿熱保冷センサーのデータ、生鮮食品の賞味期限の予測、リアルタイムの市場価格など、さまざまなデータを入力されている。これにより、各農家は冷房の必要性を、初期費用ではなくライフサイクルでのメリットに基づいて判断することができる。また利用に関する情報にアクセスすることで、農産物や農場管理について最適な判断を下すことができるようになると考えられている。

 

 

このプロジェクトは、インドの零細農家の貧困の負の連鎖を断ち切ることを目的としています。さらに食料安全保障の向上、食品ロスの削減、食料生産が地球の気候に与える影響の最小化も同時に解決することで、零細農家の収入の年最大30%増加を目指します。
BASE プロジェクトリーダー トーマス・モットマンズ
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具体的に、アプリ活用で次のようなサービスを提案する。これらは、BASEが提示する「Cooling as a Service」を、より強力に補完できることだろう。

 

  • 零細企業向けのリソース、生産量に応じた最適なコールドチェーン設備のメンテナンス契約モデルを提案し、ビジネス成長に合わせた利用設備拡張に貢献する。
  • フードロス、エネルギー使用量を最小限に抑えるための、製品の保管管理方法をリアルタイムで紹介。
  • 事業の市場価値を高め、廃棄物を最小限に抑えるために、農家が生産物を販売するタイミングを指示。

 

引用元記事

Swiss Groups Developing App to Help Farmers in India Access Cold Chain