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よりバリエーション豊富に パナソニック株式会社【SMTS 2023】

パナソニック株式会社は、「SMTS 2023」にて昨年受注を開始したトップフロータイプのCO2冷凍機の40馬力タイプと合わせて、小型需要に対応した4馬力タイプの冷凍機を展示。2010 年よりCO2 冷凍機を発売して以来、エンドユーザーの求める“隙間のニーズ” を埋めるラインナップ拡充を、着実に進めてきた。CO2に限らず、小売業でニーズが日に日に高まっているR290プラグインショーケースについても、虎視眈々と市場に参入する機会をうかがう。

今年秋頃に受注開始予定

パナソニックは2022年、CO2冷凍機の40馬力タイプと30馬力タイプの受注を開始。既に販売されていた10馬力、15馬力、20馬力タイプも、それぞれリニューアルを図った。リニューアルされたモデルは、配管系統数・施工費の削減、設置面積の省スペース化を実現し、高効率運転により現行モデルと比較して約9%の省エネも実現している。30馬力・40馬力タイプの販売状況だが、2022年度は市場への認知度の浸透や材料の調達に費やされた。2023年度以降、本格的に導入事例が増えていくことが期待されている。

 

40馬力に加えて展示された4馬力タイプの冷凍機は、2019年に欧州向けに販売が開始されたものを、電圧の変更など日本仕様に改めたものだ。パナソニックは2017年、欧州で2馬力タイプを発売していたが、その上には10馬力タイプしかなかった。4馬力タイプは、いわば2機種にある“ 隙間のニーズ” を補完する機種として開発され、現地のエンドユーザーに提供されている。国内のエンドユーザーからも、2馬力タイプを複数つないで冷却性能を発揮せざるを得ない現状を打開できるとして、4馬力タイプを歓迎する声は大きいという。

バリエーションの整理と性能改善

パナソニックは2005年にNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトに参画し、CO2冷媒機器の基礎研究を開始。2009 年にスーパーマーケットでの実証実験を開始して、国内向けにラインナップを拡充。2017年には、欧州向けの2馬力冷凍機の出荷を開始した。

 

パナソニックは2022年3月時点で、累計5,300物件に約15,500台のトランスクリティカルCO2冷凍機を納めている。約13年間、同社は国内外のエンドユーザーにCO2ソリューションを提供し続け、施工ノウハウを含むCO2冷凍機の技術を磨き上げてきた。冷凍機のバリエーションも非常に豊富で、2馬力~ 80馬力までをカバー。小規模小売店舗から大型冷凍冷蔵倉庫まで、冷凍機を必要とするエンドユーザーの大半にアプローチできる。

 

そんなパナソニックの方向性は、「バリエーションの整理」と「性能の改善」の2つがポイントだ。これからの1年は、冷凍機だけでなくショーケースも含めた、システムの最適制御の方向性を見つけていきたいと、パナソニック産機システムズ株式会社 代表取締役 副社長執行役員の土屋 康之氏は語る。

 

パナソニックはショーケース側の開発も、展開を早めていくつもりだ。同社は「SMTS 2023」でIarp社製のR290プラグインショーケースを展示したが、今後リーチインショーケースでも自然冷媒かつプラグインタイプの採用を検討していきたいという。法規制や安全性、メンテナンス体制などいくつもの検討すべき点は依然あるが、それらが解決され次第、市場に展開していきたいと考えている。

【参考】2023年特別号『アクセレレート・ジャパン』