「HCJ 2023」ならびに「SMTS2023」にて、レイテック株式会社は主力製品であるAHT社、LIEBHERR社の炭化水素(R290/R600a)プラグインショーケースを展示。国内で10年以上自然冷媒ショーケースを販売してきた同社は、両社の製品でどちらも「100%自然冷媒」を掲げる。国内でも有数の自然冷媒ショーケースの販売実績を持つレイテックは、国内の需要の変化を捉えた商品戦略でさらなる販売数増加を狙う。
累計2,000台を突破
レイテックといえばAHT社のプラグインショーケースが代名詞だったが、2020年頃からLIEBHERR 社のショーケースを取り扱い始めた。取り扱いを始めてから約3年で、累計出荷台数は2,000台を突破。AHT社のプラグインショーケースと合わせれば、レイテックの自然冷媒ショーケースの販売実績は国内随一を誇る。
LIEBHERR 社のショーケースが支持される背景には、ラインナップが小型から大型まで幅広く取り揃えられていることが挙げられる。特に、AHT社のショーケースラインナップを補完できる、電源100V程度の小型ショーケースの人気が高い。加えて、昨今の電気代高騰による「省エネ志向」の高まりも、同社のショーケースが選ばれる理由だ。LIEBHERR 社のショーケースの省エネ性能は非常に高く、同じくR290を採用する他社のショーケースと比較しても、非常に高い省エネ効果を発揮するという。優れた省エネ性能を持つショーケースを取り扱っていること、さらに10年以上そうした製品を納入してきて積み重ねた実績に対する信頼が、レイテックの最大の持ち味といえるだろう。
近年の市場動向にも、LIEBHERR社の商品はマッチしている。新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに高まった中食需要に対して、飲食店がお持ち帰りの商品を販売開始したり、小売店舗も無人営業の販売店の出店による省力化を図ったりと、業態の変化が著しい。こうした小売側の改革に対して、レイテックは個別にショーケースをただ販売するのではなく、スタイリッシュなショーケースを用いた売り場全体の提案をする機会が増えたという。大型店舗の場合は20台以上の島型ショーケースを入れるケースもあるので、この機会でさらに販売実績を伸ばしていきたいところだ。
目標は「1,000 台の壁」の突破
昨年のLIEBHERR社製ショーケースの出荷台数は約700台。AHT 社製のショーケースの実績の方が1,500台とまだまだ多い中ではあるが、順調に販売台数を伸ばしている。そして、レイテックの次なる展開は、「LIEBHERR 社製の年間販売台数1,000 台の突破」だ。
「AHT社製ショーケースといえばレイテック」というポジションを確立している同社だが、ことLIEBHERR社製ショーケースについて見てみると、まだまだ認知度向上の余地が残っているという。その鍵を握るのが、「販売台数年間1,000台」という明瞭な数字による実績だ。今以上に実績を積み重ねることで、他の大手ショーケースメーカーと肩を並べた状態を作り、エンドユーザーへの提案を進めていきたい考えだ。
なお、レイテックはLIEBHERR 社によるウォーターループシステム採用のリーチインショーケースも展示。参考出品という形で数年に渡り同製品を展示し続けているが、製品の確保や物流面に課題があるため、安定的な供給ができるのはもう少し先になりそうだ。国内における、ウォーターループシステムに対する認知度向上という課題も無視できない。ウォーターループシステム自体は、水配管のみで施工が可能である反面、まだまだコストにおいては別置
型ショーケースに軍配が上がるという。いざシステムを採用しようという場合、店舗全体のレイアウトはもちろん、機械室など店内のオペレーションそのものを大きく変えることとなるので、どうしても島型プラグインショーケースを採用するという決定に至りやすい。
それでも、ウォーターループの利便性と省エネ性能は非常に高く、リーチインショーケース自体のデザインも店内のイメージ向上に大きく寄与する。これからが楽しみな分野として、ぜひ今後取り扱っていきたいと商品戦略部 部長の加藤 昌彦氏は語った。