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SMTS2021 自然冷媒市場の2大トレンド

2021年2月17日〜19日にて、幕張メッセにて開催されている第55回スーパーマーケット・トレードショー(SMTS2021、主催:一般社団法人 全国スーパーマーケット協会)。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言を鑑み、同イベントでは完全招待制のもとで開催されている。

 

『アクセレレート・ジャパン』は「SMTS2021」にて、複数の企業ブースを訪問。そこから自然冷媒市場において注目した2つのトレンドに注目した。

コロナ禍で生まれたSDGs志向を象徴する販売台数増加

2020年の市場トレンドを決定づけた、新型コロナウイルスの感染症拡大。消費者のニーズは大きく変動し、外食産業や小売業、食品倉庫業は大きな影響を受けた。2021年も状況の変化は同じだが、「SMTS2021」に出展した各企業の昨年度実績を聞くと、自然冷媒機器の売上はむしろ好調だったという。

 

大きな要因は、近年SDGsをはじめとした環境問題への取り組みが企業でも活発になったことで、自然冷媒がエンドユーザーにも広く浸透してきていることだ。さらに2020年、コロナ禍で多くの企業が進行中のプロジェクトを中止・延期を余儀なくされた。それにより生まれた「予期しなかった時間の猶予」により、環境配慮の自然冷媒機器への投資をする企業があった。

 

緊急事態宣言により、国内の新型コロナウイルス感染者数は徐々に減少しているものの、生活様式の変化から始まった事業活動の路線を、元に戻すことは難しいだろう。エンドユーザーが本格的に自然冷媒へ目を向けたという機会は、メーカーにとってぜひ注目したいポイントだ。

新しい生活様式で生まれた需要と、炭化水素内蔵ショーケースとの親和性

とはいえ、多くのエンドユーザーが大型機器・ソリューションを容易に導入できるかと聞かれれば、環境省の補助事業があるとはいえ、難しい局面も多い。そこで大きく飛躍しているのが、R290(あるいはR600a)の内蔵型ショーケースである。

 

コロナ禍による新たな生活様式は、消費者の「巣ごもり需要」という新たなニーズを生んだ。それにより、食料品を取り扱うドラッグストアやホームセンターが、徐々に増えているという。こうした業態と、取り回しがしやすく冷媒の管理も容易な内蔵型ショーケースは、非常に親和性が高いのである。

 

外食産業も、巣ごもり需要に対応すべく店先で小型のストッカーを置き、店舗の味を食卓で楽しめる冷凍食品を販売し始めた。こうした店舗に対しても、小型のR290ショーケースは大いに活躍できるだろう。

 

環境配慮と消費者のニーズによって生まれた、小型の(特に炭化水素を中心とした)自然冷媒製品ソリューション需要。2021年もこのニーズは、まだまだ国内で追い風となることだろう。