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さらなるラインナップで販路拡大へ【スーパーマーケット・トレードショー2020レポート Part3】

2019年2月12日〜2月14日の3日間、千葉県・幕張メッセにてスーパーマーケット・トレードショー2020(主催: 一般社団法人新日本スーパーマーケット協会)が開催された。国内外の小売業・卸・商社・中食・外食から2,326社・団体が参加し、合計3,577のブースでそれぞれの製品・サービスを披露した。新型コロナウイルスの影響も心配されたが、3日間で合計80,428名の来場者を記録。本誌が注目する小売店・食品倉庫等をターゲットとするエリアでは、前年にも増して多くの自然冷媒ソリューションが見られた。なかでも注目したのが、炭化水素冷媒の飛躍である。

 

文: 佐藤 智朗、岡部 玲奈

北海道、四国など地方で実績増やす カノウ冷機

IARPのプロパン内蔵デュアルショーケース

2019年度は前年度比で、約50%の導入台数増加を達成した株式会社カノウ冷機。IARP社をはじめとしたプロパン内蔵の島型ショーケースが多く並ぶ中、本展示会では島型ショーケース・リーチインショーケースに加え、デュアルショーケースを新たに展示。デッドスペースになりやすい島型ショーケースの上部にも、商品を陳列できる設計となっている。「デュアルショーケースは上段と下段がそれぞれ独立しているので、店舗レイアウトや運営方法に合わせた設置が可能です」と、専務取締役の平山 義明氏は説明する。

 

他製品と同様にプロパンを採用しており、スイッチで冷凍(-25℃)と冷蔵(-1℃~ 5℃)の2温度帯で使用できる設計だ。同ショーケースは2019年末より販売を開始したが、北海道のホテルに導入したところ好評を博したという。その影響で、現在は函館市内のエンドユーザーと、導入にむけた商談をしているところだ。甲府市内の小売店舗でもデュアルショーケースの納品が決定。2019年度、2020年度と地方を中心に、好調を続けている。「本日は展示会にて、北九州市の小売店舗様からもお声をかけていただきました。この好調をキープしつつ、2020年度は500台以上の売上を目指していきたいところです」

AHT社の製品とターゲットをすみ分けしつつ、これまでAHT社を導入したエンドユーザーに対して、ストッカーなど一部の製品導入を提案する。LIEBHERR社の取り扱いは、レイテックにとって複合提案ができる体制を整えることになったのである。同タイプのショーケースは、国内に4,000~ 5,000台ほど活用されていると加藤氏は試算。2020 年度はLIEBHERR 社を新たにラインナップとして追加したことで、シェアをさらに伸ばしていきたい考えだ。

新メーカーの投入で、市場拡大を狙う レイテック

例年ではAHT社のプロパン内蔵の島型ショーケースを展示している、レイテック株式会社。今回もAHT社の人気シリーズである「SINGAPORE(シンガポール)」をはじめ、多くのラインナップを展示。来場者からの反応も上々で、同社が販売するプロパン内蔵ショーケースの認知度が非常に高まっているという。

 

商品戦略部 部長の加藤 昌彦氏は、「来場された新規のお客様からも、『このシリーズを近隣のスーパーでみかけたよ』とお声がけいただきました。納品台数も毎年右肩上がりで推移しており、導入地域は日本全国へ広がっています」と語る。

 

商品PRに関しても、特別な宣伝活動をせずとも、お客様からの口コミで評判が広がるなど好サイクルが回り始めているところだ。プロパン内蔵型の取り回しのよさ、ケースから商品が見えやすい視認性の高さから、多くの支持を集めている。

LIEBHERR社のプロパン内蔵島型ショーケース

本展示会では、同社はAHT社と別に、もう一つ別のメーカーのラインナップを大々的に展開。それがレイテックが日本市場の独占代理店となった、ドイツのショーケースメーカー・LIEBHERR社である。1949年に創業したLIEBHERR社は、小型のタワークレーン発明から事業を開始。建設機械製造のノウハウを活かし、家庭用冷蔵庫、そして冷蔵冷凍ショーケースまでビジネスエリアを開拓しつづけてきた。

 

シンプルなデザインと堅牢な設計、フレーム一体型のハンドルなど、堅実かつデザイン性の高いものづくりが特徴的だ。冷媒は圧縮効率を考慮し、小型製品にはイソブタンを、大型にはプロパンを採用している。レイテックの主力製品と同様に、すべて内蔵型であることも大きな特徴の一つだ。「AHT社の製品は、サイズ的にスーパーマーケットを主なターゲットとしています。LIEBHERR 社はより小型かつ安価なため、コンビニや道の駅など、小規模の小売店が主なターゲットです」