2020年11月16日、米国の投資会社KKRおよび日本のeコマース大手である楽天株式会社は、米国の小売大手ウォルマートが所有する日本のスーパーマーケットチェーン、西友の株式の85%を購入すると発表した。内訳について、KKRは西友の事業の65%を保有し、楽天は20%を取得する予定である。
実店舗のデジタルトランスフォーメーションを推進
同取引は、規制当局の承認を待ち2021年の第1四半期に完了する予定だ。その後KKR、楽天、ウォルマート三社は西友を共同運営することとなる。KKRと楽天は、新型コロナウイルスの影響で宅配需要が拡大する中、西友の事業成長に期待している。
KKRはアジアのプライベートエクイティファンドから投資を実行する。アジア太平洋地域のプライベートエクイティファンドの共同責任者であり、KKRの日本代表CEOである平野 博氏は次のように述べる。
「西友の経営陣、関係者と密に連携し、楽天とウォルマートの専門知識を活用しながら、カスタマーエクスペリエンスを向上させつつ、絶えず変化するニーズに柔軟に対応し、デジタル化を通じてショッピングをより利用しやすくします」
平野氏は楽天のeコマースデータを駆使しつつ、西友の実店舗のデジタルトランスフォーメーションを推進したいと考える。
西友のオンライン・オフラインの成長に期待
西友は国内300店舗以上を運営し、2008年にウォルマートの完全子会社となった。楽天とウォルマートは、2018年に日本でのeコマースに関する提携を結んでいる。同年、楽天は西友と提携してオンラインショップも開設。両社は2021年、共同で横浜にオンラインショップ用の大規模倉庫を開設予定である。
ウォルマートは2019年に、西友を再上場させる方針を名言。コロナ禍により、同社のオンラインショップは2020年3月以来成長を続ける。
本発表は、適切なパートナーを適切な構造にまとめ、可能な限り強力なローカルビジネスを構築することに重点を置くための重要な戦略です。KKRや楽天とともに、西友の成長・成功をサポートできるのがこれから楽しみです。
ウォルマート 代表取締役社長兼CEO ジュディス・マッケンナ氏
西友は三郷物流センターにアンモニア冷凍機を導入しているほか、2012年度の代替フロン等排出削減先導技術実証支援事業にて、府中四谷店にCO2ショーケースの省エネ検証に参加した経緯を持つ。カスタマーフレンドリーな成長戦略を描く一方で、こうした環境配慮の冷媒転換についても、一層の加速を願うばかりだ。