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Secon、炭化水素はほぼ全用途に適する選択肢とアピール

ATMOsphereより「Natural Refrigerants Label」の認証を受けたドイツの炭化水素冷凍機メーカー、Seconのゼネラルマネージャー、ヨアヒム・シャット氏が、2022年9月13日から14日にかけてドイツ環境庁(UBA)とGIZ Proklimaが、ドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省(BMUV)とドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)を代表して共同主催した「Green Cooling Summit」の2日目「Planning and Procurement」セッションにて、「自然冷媒の基本的な選択基準」に関する講演を行った。

 

その席で、シャット氏はプロパン(R290)、プロピレン(R1270)、イソブタン(R600a)などの炭化水素が、あらゆる温度帯のアプリケーションで実現可能な選択肢であり、特に統合システムで大きな効率を発揮し、コストを削減できると主張した。

 

炭化水素はプロセス冷却から低温アプリケーション、ヒートポンプまで、あらゆる温度範囲に自然冷媒の選択肢があるとシャット氏は言う。そして、一般的な自然冷媒の実現可能性を比較した表を公開した。「ほとんどすべてのアプリケーションは、すでに自然冷媒で効率的、安全、経済的にカバーできます」(シャット氏)

さまざまな温度範囲で、自然冷媒がどの程度実現可能かを示したシャット氏のスライド(緑は「実現可能」、黄色は「可能」、赤は「推奨しない」を示す)

シャット氏は、炭化水素は低温用途(-15〜-30℃/-22°F)を除くすべての温度帯で実現性が高いと説明。低温帯もまた、最良の選択肢ではないものの使用は可能だとした。炭化水素は効率性の点で高得点であり、50℃までの周囲温度での使用に適しているという。購入コストとメンテナンスコストは「中程度」と評価した。

自然冷媒の評価に関するシャット氏のスライド

スーパーマーケットで重要な熱回収にも対応

シャット氏は、スーパーマーケットでの利用において自然冷媒の大きな可能性を指摘する。特に欧州のディスカウントストアでは、R290のウォーターループシステムが普及していると指摘した。

 

スーパーマーケットでは、冷房だけでなく暖房や空調にも自然冷媒を使用することが一般的になりつつあり、R290冷凍機(水冷式または空冷式)はこの用途に非常に適しているという。さらに、熱回収を含むR290やCO2のオールインワン統合システムは、大きな効率向上を実現できる、とシャット氏は話す。

 

「熱回収が暖房需要をカバーするための最適なソリューションであることは明らかです。暖房需要のほとんどを、熱回収でカバーする必要があります。ディスカウント・スーパーマーケットでは、暖房需要の約80%を冷凍システムの熱回収でカバーすることができます」(シャット氏)

 

シャット氏はまた、スーパーマーケットではモジュラーシステムを検討すべきであると強調。モジュラーシステムは柔軟性があり、あらゆる冷暖房のニーズに簡単に対応できるからだ。

 

ほとんどすべてのアプリケーションは、すでに自然冷媒で効率的、安全、経済的にカバーすることができます。

Secon ゼネラルマネージャー ヨアヒム・シャット氏

技術的な推奨事項

シャット氏は、R290導入の計画には、次のような手順が必要だと自身の考察を示した。

  • 効率を上げるための、システム温度を最適化。
  • 機械室が制限を受けないよう、冷却システムのための十分なスペースを確保する。
  • 蒸発凝縮器や断熱ガス/ドライクーラーに飲料水を使用することは避ける。
  • 計画段階では、プロジェクトや将来起こりうる拡張に必要な冗長性を検討する。
  • リスク分析を行い、サプライヤーに安全コンセプトと設置手順を要求する。
  • 容量と温度レベルを指定するだけでなく、蒸発器と凝縮器のデルタTの拘束値も入手する。
  • システムの制限と要件について前もって聞いておく。

セコンは最近、ATMOsphereからNatural Refrigerants Label(自然冷媒ラベル)を取得しました。

参考

Secon Touts Hydrocarbons as a Suitable Choice for Most Applications
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。

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