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Biaggini Frigoriferi社、スイスのショッピングモールに冷暖房対応のCO2システム設置

スイスのメーカーBiaggini Frigoriferi社は、同国・ルガーノのショッピングモールに冷房・暖房両方を供給可能なトランスクリティカル(TC)CO2冷凍機2台を設置した。このショッピングモールは、スイスの小売企業Migros社が運営する空港近くの商業施設で、石油ボイラーと古いHFC冷房の代替ソリューションとして同システムを採用した。

冷房・暖房の両ニーズを実現

Biaggini Frigoriferi社のプロジェクトマネージャーであるルカ・ロッシ氏は、この新しい冷凍機を「ReversinGreEnergy」と名付けたのは、同機種が完璧な「リバーシブル」を実現するからだと話す。ロッシ氏は「ReversinGreEnergy」の性能について、ヒートポンプ・チラー両機能を有し、冷暖房のニーズを同時に満たせると説明。Migros社の店舗は、「ReversinGreEnergy」ソリューションの最初の導入事例となった。

 

2021年5月初旬にシステムの試運転を実施。ロッシ氏はその状況を、予想以上にスムーズに稼働していると話した。2台の冷凍機は同じもので、合計で600kWの冷房と500kWの暖房の供給能力を有する。2台の唯一の違いとして、片方のユニットは、技術室を冷却するCO2エバポレーターに接続されている。

 

チラーユニットは、高圧側が120bar(約118気圧)、低圧側が80bar(約79気圧)で動作する。冷房モードでは8℃の水を供給し、入力温度は14℃。暖房モードでは、水温は27℃で、出口温度は37℃となっている。

ダブルコイル

新型冷凍機は、ガス冷却器と蒸発器のコイルを分離したダブルコイルを採用することで、暖房モード・冷房モードの両方で最高のパフォーマンスを確保し、デフロストサイクルを最適化することができる点にあるとロッシ氏は説明する。

 

また、この新システムではモールの冷暖房ニーズに合わせて簡単に停止・再起動でき、省エネとコスト削減の両方を実現しているという。

 

「ReversinGreEnergy」は圧力上昇の問題もなく、数週間停止したままでいられます。外部からのデジタル信号により、建物に冷暖房能力が必要だと判断された場合のみ、ユニットのスイッチが入ります。
Biaggini Frigoriferi社 プロジェクトマネージャー ルカ・ロッシ氏
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「ReversinGreEnergy」には、Eliwell社がシステムの電子機器を全て供給している。それ以外の部品の提供事業者は、Dorin社、LU-VE社、Alfa Laval社、Castel社、Refrigera社、Temprite社だ。今後、年内にもBiaggini Frigoriferi社は「次の導入を計画している」と、ロッシ氏は話す。