パラグアイの産業界では、アンモニアが冷媒として愛用されている。このメッセージは、2021年9月20日に開催されたウェビナー「Sustainable cold chain and Rome declaration: Ensuring nutritious and healthy food for all(持続可能なコールドチェーンとローマ宣言)」で伝えられた。
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同ウェビナーは、国連環境計画オゾン事務局、イタリア生態系移行省、国際連合食糧農業機関(FAO)が主催したものである。パラグアイの環境・持続可能な開発省のエンジニア、ジルダ・トーレス氏は、エネルギー効率と環境持続性に優れたアンモニアを高く評価していると話す。同省では、冷蔵倉庫、乳製品、食品、飲料などのHVAC&R分野で活躍するステークホルダーと協力して、アンモニアシステムの導入を進めている。
これまで使用されてきた他の物質は、オゾン層を破壊したり、強力な地球温暖化ガスであったりしました。現在、私たちはアンモニアをより安全に使用できるよう、支援に努めています。
パラグアイ環境・持続可能な開発省 エンジニア ジルダ・トーレス氏
パラグアイは2018年、キガリ改正を批准した。同省は国立技術・標準・計量研究所の支援を受けて、アンモニアを使用した産業システムの安全な取り扱いを詳述した証明書を作成している。
この活動は、国連環境計画オゾンアクションとグローバル・フード・コールドチェーン評議会(GFCCC)の支援を受け、2021年に開始された「コールドチェーン・データベース・モデル」プロジェクトへのパラグアイの参加と関連している。同プロジェクトの目的は、公的機関が様々なシステムのデータを収集することで、コールドチェーンの問題に総合的に取り組み、その後の効果的な行動につなげることである。
このプロジェクトにより、同省はデータ分析に基づき、国内で持続可能なコールドチェーンを確立するために必要な適切な政策や技術的介入を設計し、持続可能なコールドチェーン技術の賢明な選択を促進し、設置されたアプリケーションの運用やサービスにおけるベストプラクティスを支援することができるようになるという。
また、炭化水素を利用したソリューションについては、スーパーマーケットや空調設備などへの導入も検討しているという。遠隔地の冷凍ニーズに対応するため、R290システムを太陽光発電で可動させるプロジェクトも進行中である。
欧州連合(EU)は、アフリカの病院や薬局向けに自然冷媒を使用したオフグリッド冷却システムを開発するプロジェクト「Sophia(Sustainable Off-grid solutions for Pharmacies and Hospitals in Africa)」に資金を提供している。中南米、アフリカと様々な場所で、自然冷媒プロジェクトが進行中だ。
参考
Paraguay Favors Ammonia for Industrial Sector
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
原著者:トマス・トレビザン
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