パナソニック株式会社 空質空調社は、スウェーデンの空調システムメーカーであるSystemairの業務用空調事業を買収する意向であることを発表した。同社の事業は、チラー、ヒートポンプ、エアコン、ファンコイルユニットで構成されており、プロパン(R290)ベースのチラーやヒートポンプシステム「SYSAQUA BLUE」などがある。また、冷媒の使用量が少ないウォーターループシステムにも力を入れている。
パナソニックは、今回の買収により同社にとって重要な市場である、欧州での業務用空調分野を強化するとともに、水・空間を暖める分野でのビジネスを拡大するとしている。空質空調社社長の道浦 正治氏は、「Systemairの業務用空調技術と弊社のインバーター技術、省エネ技術を組み合わせることで、お客様が求める付加価値の高いソリューションの提供を加速させます」と述べている。
複数ブランドの買収
パナソニックは今回の買収の他に、イタリアの空冷・水冷式チラーやヒートポンプ、屋上用エアコンなどの製造・販売会社であるSystemair S.r.l.を含む、Systemairの複数のブランドを買収する予定だ。パナソニックの発表によると、Systemairのドイツ法人の空調事業も買収する意向で、「Systemair GmbHからの営業社員の異動は、人事協議の対象となる」という。
さらにパナソニックは、フランスで業務用空調システムを製造・販売しているSystemair AC SASの「全発行済株式の取得を申し出ている」という。パナソニックは、さらなる協議を経て、この申し出が受け入れられると見込んでいる。今後、必要な手続きを経て、パナソニックブランドの連結子会社として運営される予定だ。
Systemairの社長兼CEOであるローランド・カスパー氏は、「イタリアとドイツの空調事業を売却することを決定し、フランスの空調事業も売却する予定ですが、これは当社のコアビジネスである換気事業に集中することが、お客様への提案を強化し、当社の戦略に合致すると確信しているからです。パナソニックと業務用エアコンの供給に関する長期契約を締結し、パートナーシップをさらに強化することで、現在および将来のお客様を継続的にサポートできることを大変嬉しく思っています」と述べている。
業務用空調の新体制
パナソニックは、Systemairから3社を買収することで、業務用空調事業における開発・生産・販売・メンテナンスの新体制を構築するとしている。給湯や暖房の分野でも、両社が持つリソースを組み合わせることで、より付加価値の高いソリューションを生み出していきたい考えだ。
この買収は、日本のメーカーが「環境にやさしい」製品の提供を拡大することで、「幅広い顧客ニーズに対応する」ことにつながるという。パナソニックは最近、新しい住宅用空清ヒートポンプ「Aquarea L Series R290」を発表し、2023年4月上旬までに欧州で発売する予定だ。
参考
Panasonic Announces Intent to Acquire Commercial AC Business of Swedish Manufacturer Systemair
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
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