【ATMO APAC Summit 2022】日本熱源システム、2つの冷媒の新たなプロセス冷却への展開【空調・プロセス冷却分野セッション】

2022年6月27日、ATMOsphere主催の国際会議「ATMOsphere(ATMO) APAC Summit 2022」の一日目となるイベントが、東京コンファレンスセンター・品川にて開催された。二日間の日程で開催される本イベントにおいて、一日目は日本市場に焦点を当てた各種セッションが展開された。

 

本会議の新たなセッションである「空調・プロセス冷却分野における自然冷媒技術」では、日本熱源システム株式会社 工場管理課 課長 外川 純也氏が登壇。自然冷媒冷凍機のプロセス冷却への展開として、CO2冷凍機とアンモニア冷凍機それぞれの、プロセス冷却の導入事例と省エネ効果について発表した。

アンモニアによるプロセス冷却

日本熱源システムの冷凍機ラインナップの中心であるCO2単独冷凍機「スーパーグリーン」は、-45℃〜+15℃を冷却可能温度としている。冷却能力は30kW〜250kWのものを生産・販売している。一方、アンモニアチラーの「ブルーアストラム」に関しては、温度帯は-15℃〜+15℃、冷却能力は400kW〜1,800kWと大型機を販売している。

 

アンモニアチラーの事例として、同社がまず紹介したのは水冷式アンモニアチラーによるアイスバンクシステムだ。同システムは、氷蓄熱槽の内部に−4℃ブラインが配管され、コイル表面に氷が生成され蓄熱される仕組みだ。氷蓄熱槽内で氷が融解することで、0〜1℃の冷却水が生まれ、製品冷却・空調などの冷熱源として利用される。氷蓄熱槽内には氷厚センサーが内蔵され、それによりチラーの稼働状況が制御されている。

 

同システムの導入事例として、外川氏は2016年8月に稼働を開始した不二製油株式会社を紹介。R22冷凍機からの転換として、「ブルーアストラム」の1500型機を1台納入。食品原料製造ラインの冷却として同システムが活用され、アンモニアチラーへの切り替えで年間38.5%の電力削減効果が得られたという。

 

同じく「ブルーアストラム」の事例として、製氷プロセスの事例も紹介された。同システムでは、「ブルーアストラム」から-15℃程度の塩化カルシウムブラインを製氷設備へ送り、角氷・プレートアイスを作る。

 

西日本のエンドユーザーは、2020年8月に日本熱源システムの「ブルーアストラム」1800型機2台を新設の製氷工場に導入。運転開始時より掲げていた「製氷量1トンあたりの消費電力目標190kWh/トン以内」も、一部の時期を除き無事クリアしたと、外川氏は話す。

CO2によるプロセス冷却

CO2の事例として、最初に紹介されたのがビール工場の炭酸ガス捕集用設備への活用だ。ビールの発酵工程において、発生した炭酸ガスを回収し、もう一度圧縮し冷却することで、液化炭酸ガスを生成する。この冷却工程にCO2ブラインチラーを使用するというのが、日本熱源システムが提供するシステムの全容だ。

 

実際の事例として、外川氏は関東某所のビール製造会社の事例を紹介。このエンドユーザーは、2021年10月に水冷式アンモニアチラーからの更新という形で、「スーパーグリーンF-3BT」という機種を導入。空冷式CO2チラーのシステム採用により、炭酸ガスの捕集量あたりの消費電力量を、従来システムより30.4%削減できた。

 

現在のデータは2022年4月までの比較ですが、夏場の運転状況を加味しても、年間25〜30%が可能だろうと試算しています。

日本熱源システム株式会社 工場管理課 課長 外川 純也氏

 

もうひとつは、マーガリン製造における冷却システムでの事例だ。マーガリンは各種原料を用いて乳化させたのち、急速冷却して練り合わせ固めていくという工程を経て完成する。製造システムでは、マーガリンの練機に直接CO2冷媒液を送りながらマーガリンの冷却を行う。蒸発温度はエンドユーザーにより異なるが、-20〜-25℃の範囲だという。

 

導入事例としては、2021年3月より運転が開始された西日本のマーガリン製造会社が上げられる。ここでは水冷式R22機の更新として、同じく水冷式の「スーパーグリーンCT」が採用された。運転開始から38年が経過していたR22機からの転換により、年間59.3%の電力削減効果を得られたという。

参考

「ATMO APAC Summit 2022」
日本熱源システム株式会社 工場管理課 課長 外川 純也氏