ガスセンサーメーカーであるNevadaNanoの代表取締役社長 ラルフ・ウィッテン氏は、同社センサーが自然冷媒業界に対して、さらなる拡大の可能性を秘めていると示唆。その応用性の高さについて、「アクセレレート・ジャパン」に語った。
北米で迎える「センサー市場のビジネスチャンス」
米国を拠点とするガスセンサーのメーカーであるNevadaNanoは、CO2、プロパン(R290)、イソブタン(R600a)などの自然冷媒の検出に使用可能な、同社製品のガスセンサーMicro Electro Mechanical Systems(MEMS)を販売。
冷媒に関わらず、広く可燃性ガスを検出するための安全装置として、MEMSは世界の鉱業業界で広く使用されている。MEMSと他社製品との違いについて、ウィッテン氏はMEMSに使用する電子部品が、可燃性ガス・冷媒等と相互作用しない性質を持っていることだという。これにより、10年以上にわたり、センサーを修理・交換する必要なく使用可能である。
Ralph Witten:主な違いは、触媒ビーズや非分散型赤外線検知素子ではなく、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を使用していることです。主な利点は、MEMSデバイスが不活性物質であるため、感知する化学物質と相互作用しないことです。主な結果は、中毒への耐性と非常に低い長期ドリフトの点で大きな利点です。これにより、10年以上にわたってセンサーを校正または交換する必要がなくなります。
「米国内では、2021年〜2023年にかけて、地球温暖化係数の低い冷媒の市場が劇的に拡大するでしょう。欧州と日本は、すでにその段階に入っていると考えます」(ウィッテン氏)
カリフォルニアをリードする北米市場では、徐々に厳格な規格策定が計画されている。規格採用に伴い、耐用性の高い高性能センサーを使用する必要が生じるだろう。この市場動向に、NevadaNanoは大きなチャンスを感じているのである。
新たなフロンティアへの挑戦
NevadaNanoは、このセンサー市場を次なるフロンティアとして見据える。現在は試験運転等でサンプリングを実施しているが、2021年にはさらなる商用試験を重ね、2022年に販売台数を増やしていきたい考えだ。
「私達は日本で約2年間、安全装置市場の顧客の皆様と共に活動を続けてきました。『アクセレレート・ジャパン』の力も借りつつ、日本国内でより認知度を高めていきながら、可燃性A3冷媒および不燃性A1冷媒の両方において、私達は信頼性の高いセンサーのソリューションであるということを周知していきたいです」
NevadaNano 代表取締役社長 ラルフ・ウィッテン氏