2020年12月17日、環境省は公式HPにて、気候変動適応法に基づき気候変動影響の総合的な評価についての報告書「気候変動影響評価報告書」を公表した。
気候変動適応法に基づく初の総合的報告書
気候変動適応法(平成30 年法律第50 号)では、環境大臣は気候変動及び多様な分野における気候変動影響の観測、監視、予測及び評価に関する最新の科学的知見を踏まえ、おおむね5年ごとに中央環境審議会の意見を基に、気候変動影響の総合的な評価についての報告書を作成し、公表することと定められている。
環境省ではこれまで、同法に基づく報告書の作成に向け、最新の科学的知見の収集や分析を実施。2018年12月21日付けで、環境大臣から中央環境審議会会長に対しなされた諮問「気候変動影響の評価について(諮問)」をもとに、環境省が作成する報告書案について中央環境審議会での審議が行われ、2020年11月30日に中央環境審議会から答申「気候変動影響の評価について(答申)」が示された。その本答申を踏まえ、関係行政機関との協議を経て、「気候変動影響評価報告書(総説)」を作成、公表された。
本報告書は、気候変動適応法に基づくものとしては初めての気候変動影響の総合的な評価に関する報告書である。
今後の気候変動適応計画の見直しにも使用
「気候変動影響評価報告書(総説)」では、各分野における気候変動影響の概要に加えて、気温や降水量などの観測結果と将来予測、影響の評価に関する今後の課題や現在の政府の取組がまとめられている。報告書の作成に併せ、各分野における気候変動影響に関する詳細な情報まとめた資料「気候変動影響評価報告書(詳細)」を参考資料としてまとめている。
本報告書の内容も踏まえ、2021年度には気候変動適応法に基づき策定されている気候変動適応計画の見直しが行われる予定である。また気候変動適応法に基づき、今後もおおむね5年ごとに、気候変動影響の総合的な評価についての報告書を作成する予定だ。