PARTNERS
日本

三菱重工冷熱、窒素冷媒採用の極低温対応・大容量型ブライン冷凍機を開発

2022年3月10日、三菱重工冷熱株式会社は、窒素(N2)冷媒を採用した業界トップクラス(同社調べ)の極低温領域対応可能な大容量型ブライン冷凍機を新たに開発しと発表した。

省スペース、安全性、省コストを実現

N2採用の大容量型ブライン冷凍機は、有機化学品の生産などを手掛ける本荘ケミカル株式会社への納入を完了。国内での拡販を進めていくという。本機種の主な性能や特徴は、以下の通りだ。

 

◆ 独自技術を用いた空気冷媒サイクルにより、業界トップクラスの極低温(~マイナス100℃)を実現
◆ 環境や人体に安全なノンフロン冷媒の採用で地球温暖化を抑制、フロン排出抑制法の義務点検も不要に
◆ 膨張エネルギーの動力利用やインバーターの採用で低ランニングコストを実現

 

本機は、独自の特許技術を用いた空気冷媒サイクルにより超低温、極低温領域(ブライン温度:マイナス45℃〜マイナス100℃)まで幅広く対応できる。機器搬送も容易で、業界トップクラスのコンパクト化を実現しているという。圧縮・膨張機については、三菱重工グループが培った高いガスタービン技術を使用しており、空気が膨張冷却する際のエネルギーを回収し動力として活用することに加え、インバーター制御による省エネ化といった高い技術力による運転の安定化も実現する。

 

本機の冷媒には、空気中に含まれる成分のうち約78%を占める窒素が使用されているため、環境や人体に対しての安全性も高い。フロン排出抑制法の義務点検も不要で、高圧ガスの製造や消費などについて規定する高圧ガス保安法も適用外であるという点も注目だ。

 

圧縮機および膨張機は、磁気軸受の採用により潤滑油が不要かつ寿命が半永久的で、保守・運用の面でお客様の負荷軽減にも貢献する。

 

冷媒の選択肢が少ない超低温、極低温領域では未だにフロン冷媒を使用している冷凍機も多い。環境負荷低減の観点からノンフロン冷凍機へのニーズが高まっているなか、同機種の本格的な展開に注目だ。今回発表された冷凍機は、ケミカル・ファインケミカル分野を中心として拡販に注力していく予定だ。