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アジア・太平洋

METRO AG、インド・パキスタンでR290の導入拡大を開始

ドイツの卸売業者であるMETRO AGは、独自のF-Gas Exit Program(FEP)の一環として、インドとパキスタンにおいて、低温用プロパン(R290)を使用したプラグイン式業務用陳列ケースの導入を開始した。

20%以上のエネルギー削減

METRO Properties社のエネルギー管理担当ディレクター、オラフ・シュルツ氏によると、2020年以降から現在に至るまで、インドの店舗はグントゥール、バイザッグにそれぞれオープンした新店舗(2店舗)にてR290内蔵島型冷凍庫を導入した。

 

これを皮切りに、METRO社はインド国内にある30店舗のうち、16店舗でR404A内蔵フリーザーからAHT社のR290空冷式ユニットへの交換が開始された。同プロジェクトは、METROの会計年度開始日である10月1日に開始され、METROが10店舗を運営しているパキスタンの既存店舗も対象となっている。

 

以前、METRO India社はインドのコルカタとハイデラバードの既存店舗で、R404AマルチデッキチラーをトルコのOEMであるKaplanlar Refrigeration社のR290チラーに交換した。シュルツ氏によると、炭化水素内蔵ショーケースは冷媒の漏れを「劇的に」減少させることができ、METRO社は炭化水素ユニットによってFガス機器と比較して20%以上のエネルギー削減を達成できるという。

 

同社はさらに、インドとパキスタンの店舗でライフサイクルが終了した既存の集中冷蔵システムを、R448AまたはCO2ベースの冷蔵システムに置き換える計画を立てている。

2040年までにカーボンニュートラルを実現

FEPは2030年までにCO2e排出量を2011年比で50%削減し、2040年までに自社の事業活動においてカーボンニュートラルを実現するというMETROの目標を達成するための重要な推進力となっている。同プロジェクトはこれまでのところ順調に進んでおり、METRO社の2020年末のCO2e排出量34%削減に貢献していという。

 

METRO社は今後数年以内に、インドとパキスタンで集中管理されたFガスシステムをトランスクリティカル(TC)CO2に置き換える作業を開始したいと考えているが、現時点では時期は決まっていないとシュルツ氏は話す。この置換プロジェクトは、アーミン・ハフナー教授とノルウェー工科大学との共同研究の一環として行われている。METRO社はCO2技術をインドに導入し、必要なすべてのアフターサービスを提供することについて、Carrier社やBluestar社、ダイキン工業株式会社などの世界的な企業とも協議している。

 

今のところ決まったスケジュールはありませんが、迅速に対応したいと考えています。私たちの仲間はオープンマインドで、技術的にも商業的にも可能なことを検討していきます。

METRO Properties社 エネルギー管理担当ディレクター オラフ・シュルツ氏

 

2021年9月の時点で、METRO社はTCCO2冷蔵システムを導入している店舗が134店舗あり、そのうち37店舗がエジェクター技術を採用している。これらの店舗は、ロシアを含む欧州を中心に展開しています。METRO社は、中温ケースが順調に稼働している欧州店舗にて、「スマートリペア」プログラムの一環として、R290低温内蔵ショーケースの導入を進めている。

参考

METRO AG Starts Expansion of R290 Installations in India and Pakistan

原著者:タイン・スタウスホルム

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