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インド乳業会社、GEAのアンモニアシステムで最大20%の省エネ実現

インド西部のプネ近郊にあるFortune Dairy社は、ドイツのメーカーGEA社のアンモニア冷蔵システムを導入し、従来のシステムに比べてエネルギー効率を15~20%向上させるとともに、総所有コストを20%削減したと発表した。

GEA Grasso Mシリーズ

新しいシステムは、「GEA Grasso M」シリーズのコンプレッサーをベースに、2つのラックで構成され、合計879kWの容量を持ち、牛乳の冷却に使用されている。2020年3月に試運転を行い、その後は問題なく稼働しているとGEA社は話す。

 

GEA社によると、ラックとコンプレッサーに加えて、ラックを監視するための制御パネル「Omni」も提供したが、システムのその他の構成要素はFortune社が外注したという。「Omni」はオープンシステムであり、基本的に一般的なメーカーの冷凍設備を監視・制御することができるため、補助的な制御システムを必要としない。

 

「Grasso M」 シリーズは、メンテナンス性に優れた高速4,500rpmのスクリューユニットである。コンパクトな設計で、従来の機器と比較して最大70%の床面積を節約でき、「このセグメントで最もコンパクトな標準機」(GEA社発表)とされている。

 

「GEA Grasso M」シリーズ(C~Gサイズ)のコンプレッサーは、他社の標準的なコンプレッサーが50Hzで3,000rpm、60Hzで3,600rpmとなっているのに対し、最大で6,000rpmまで設計されていると、GEA Refrigeration Technologies社のプロダクトマネージャー、トーマス・レルゲンミュラー氏は説明する。

 

高速化により、コンプレッサーの出力密度や回転数制御範囲が拡大し、エンドユーザーに様々なメリットを提供することが可能だ。また、部分負荷効率の向上により、エネルギー消費量、ひいては総所有コストの削減にもつながる。

 

Mシリーズでは、GEAは55,000運転時間ごとにオーバーホールを推奨する。これにより、Fortune Dairy社のメンテナンス間隔は従来の2倍となり、大幅な経費削減につながった。洗練されたオイル管理システムのおかげで、パッケージからシステムへのオイルキャリーオーバーは最大5ppmと低く抑えられている。これもメンテナンスコストの削減につながります。

選んだ理由

Fortune社がこのソリューションを選んだ理由について、GEAは次のように説明する。「彼らは、工場の日常的なオペレーションに柔軟性を与え、エネルギー効率と持続可能性の追求をサポートするソリューションを探していました。最も重要なことは、Fortune Dairy社が求めていたのは、賢明な投資判断となるような圧縮システムだったということです」

 

Fortune Dairy Industries社のCMDであるマノジ・トゥペ氏は、次のように話す。

 

「新興の、そして最も急速に成長している乳製品ブランドの1つとして、我々は常に成長の原動力となる優れた技術製品を求めています。GEAのMシリーズスクリューコンプレッサーは、当社の冷凍プラントに大きな変化をもたらしました。メンテナンスコストの削減とエネルギー効率の向上に加えて、自然冷媒を使用することでCO2排出量の削減も進んでいます」

 

GEA社はFortune Dairy社と長年の関係を築いており、インドの乳製品業界で初めての導入に携われたことを誇りに思っています」と語るのは、Refrigeration Technologies India Cluster社のセールス&サービスディレクターのプラカシュ・パティル氏。

 

Fortune Dairy社が目標を達成し、総所有コストを最大20%削減することに貢献できたことは、私たちにとってもお客様にとっても大きな喜びです

Refrigeration Technologies India Cluster社 セールス&サービスディレクター プラカシュ・パティル氏

 

GEAグループは、2040年までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現するという目標を、2021年6月に発表している。

参考

Indian Dairy Saves Up to 20% in Energy with GEA Ammonia System

原著者:タイン・スタウスホルム