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IECがルームエアコンの炭化水素充填量引き上げに関する改正案を提出

2020年8月7日、国際電気標準会議(IEC)は、室内空調(AC)システム、ヒートポンプ、および除湿器の安全規格(IEC 60335-2-40)の改正案を提出したと発表。同案(61D/455/CDV)が可決・承認された場合、世界各国でプロパン(R290)をはじめとした可燃性冷媒の用途が、さらに広がることとなる。IECの小委員会61Dの加盟国は、10月30日までに提案に投票する予定である。

 

改正後の安全規格(61D/455/CDV)は、A3(可燃性)、A2(低可燃性)、およびA2L(低可燃性)冷媒の充填量制限の変更に触れられている。本問題に関して、ワーキンググループを牽引するデンマークに拠点を置くVonsildコンサルティングの責任者アスビャーン・ヴォンスィル氏は、彼らが2015年からこの改正案に取り組んでいると話した。

 

「本案が可決されれば、2021年末までにIEC 60335-2-40の第7版で公開されることとなります」

改正後の充填量はどうなるのか

ヴォンスィル氏は、非常に巨大な部屋における炭化水素の最大充填量の変更には、改正案では触れていないと説明。変更されているのは、一般的な大きさの部屋に使用できる量であると述べた。また、炭化水素充填量を引き上げるのに合わせ、循環気流や安全遮断弁、およびその他の追加の建設要件にも改正案では明記されているという。

 

たとえば、天井高が2.2mで広さが20m2ある部屋の場合、天井に取り付けられたルームエアコンには334g(0.7lbs)のR290充填量が許可される。「この提案により、追加の安全対策を考慮に入れるために、充電制限は以前よりも複雑になるでしょう」とヴォンスィル氏は言う。

 

同条件の部屋の場合、R290の制限は以下のように定められることとなる。

 

  • 標準の分割システムの場合:334g
  • 堅牢な設計で追加の構造要件を満たす場合:585g
  • 十分な気流が確保されている場合:836g
    冷媒漏えいを確実に検出するため、ガス検出器が必要になる場合がある。
  • 安全遮断弁を使用し、R290の漏えい量が制限量未満になるよう設計した場合988g

 

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