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【連載:変化に立ち向かうHVAC&R業界のリーダーたち】第5回Güntner〜持続可能な事業継続に向けてのデジタル化推進〜

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界各地に猛威を振るう結果を生んでいる。事業単位に目を向けてみれば、事業継続のためにオフラインからオンラインへ移行する動きが、活発に行われている。

 

HVAC&R業界もまた、国内外を代表する展示会の多くが、延期および中止を余儀なくされた。この激動の時代に、国内企業はどのような対策を行い、変化し成長しようとしているのか。

 

『アクセレレート・ジャパン』では、日本を代表する機器メーカーのトップにアンケートおよび取材を実施。彼らの回答から、業界が連携してこの危機をチャンスとするためのベストプラクティスを共有する連載をスタートさせた。

 

第5回は、Güntner。デジタル化に対して事前に備えてきた同社は、社内外に大きな混乱をもたらすことなくコロナ禍に対応。「持続可能な事業継続」に対する安定した取り組みはは、困難の時代でも順調にシェア拡大に寄与している。

コロナ禍でも順調にプロジェクトを進行中

ドイツの熱交換器メーカーGüntnerは、新型コロナウイルスの感染拡大に対して、直ちに行動を起こした。社員および顧客に感染拡大が起きないよう、困難な状況下でも管理体制を厳格化し、最大限のセキュリティと信頼性を提供することができた。

 

そう語るのは、Güntner Asia Pacific Pte Ltdのキーアカウントマネージャーである佐竹 智宏氏、およびアプリケーションエンジニアマネージャーのパトリック・ライヒ氏である。

 

これらの施策が功を奏したのか、同社におけるコロナ禍の影響は、低い状態で推移する。日本では順調に市場シェアを伸ばし、顧客からのフィードバックも良好なものが多い。

 

90年以上に渡り、日進月歩の進歩を続ける寝る交換機の開発を進めてきたGüntner。新型コロナウイルスで多くの対策を余儀なくされた一方で、さらによい製品開発に向け、努力を推し進めるしかないという決意にもつながったろいう。

  

「2020年初頭、私達はアジアで新しい、高いレベルでの衛生基準を満たすHACCP認定のデュアルコンパクト空調を発売しました。幸いにも、市場はこの製品に高い関心を寄せています。さらに日本国内では、多くのCO2に関するプロジェクトが進行中です」(佐竹氏/ライヒ氏)

デジタル化への備えは万全

新型コロナウイルスの感染拡大は、マーケティング手法にも大きな変化をもたらした。Güntnerは過去2年間でデジタル化への投資を集中的に続けていたため、すでに準備ができていたという。

 

非常に短期間でデジタル化をさらに加速させたが、社内事業の継続への悪影響はないまま、抜本的な見直しを実現させた。各工場に対しても、可能な限り安定した作業環境を確保するために尽力したおかげで、顧客からの信頼を損なわないままにリモートワークへの切り替えを可能にした。

 

「GüntnerグループのデジタルイノベーションハブであるSpark Radianceでは、当社のデジタル化戦略を推進するため、社内で使用するツールとソフトウェアを模索しています。これにより、常に新しいツールにたいして備える機会を持っているのです。こうしたデジタル化への備えにより、Microsoft社の『Teams』や新しいウェビナー プラットフォームなどを、社内ツールとして採用しました」(佐竹氏/ライヒ氏)

 

顧客とのコミュニケーションも、現在では随時オンラインへと移行している。同社が用意するVRツールのほか、工場紹介ビデオや製品プロモーションにより、顧客とのオンラインコミュニケーションは非常に円滑に機能していると佐竹氏は話す。

持続可能なビジネスへの挑戦

自然冷媒、特にCO2の需要増加に対して、Güntnerはこの冷媒の重要性を強調し続けている。さらに同社製品は高い技術力によって信頼性を担保していること、かつ高いエネルギー効率を有することで、持続可能なビジネスには欠かせない存在であるという確固とした自信を3持つ。

 

同社は日本市場において、断熱前冷却用の「HydroPad」加湿パッドを備えた、新設計のガスクーラーが高いポテンシャルを秘めていると見ている。本ソリューションを、Güntnerの得意とするモーター管理システムと組み合わせることで、年間を通じての冷凍システムの効率的運用を可能にするだろうと佐竹氏は考える。

 

「私達にとって、デジタル化というテーマは長年念頭にありました。この数カ月の劇的な変化によって、デジタル化の重要性とメリットがはっきりと証明された気がします。

 

今後も新たなツールが誕生し、効率的かつ費用対効果の高い事業ができるようになり、持続可能なビジネスへつながる。こうなる未来を、私は確信しています」

Güntner Asia Pacific Pte Ltd キーアカウントマネージャー 佐竹 智宏氏 / アプリケーションエンジニアマネージャー パトリック・ライヒ氏