2022年2月1日〜2月4日の4日間、東京・ビッグサイトにて開催中の「HVAC&R JAPAN 2022」(主催:一般社団法人日本冷凍空調工業会)。4年ぶりの開催となった同展示会では、歳月を経てさらに自然冷媒ソリューションを拡大とともに、新たな技術の参入も見られるなど、各社注目の技術が出揃った。
幅広い用途・冷媒の拡大を実感
新型コロナウイルス感染症の影響から、大手メーカーの出展辞退も見られる本展示会。初日である2月1日の来場者が約1,600名にとどまるなど、厳しい状況が続く。それでも、210社・団体が出展する最新技術は、自然冷媒ソリューションの拡大を大いに感じさせるものであった。
まず取り上げたいのは、長らくこの市場を牽引し続ける先駆者達が披露する、バリエーションの豊富さだ。
日本熱源システム株式会社は、ラインナップが大幅拡大したCO2単独冷凍機「スーパーグリーン」と、最近注目度が高まっているアンモニア冷凍機「ブルーアストラム」の実機を展示。国内で着実に導入実例を伸ばし、幅広い業界への対応力を高めていることを示した。

株式会社前川製作所は「脱燃焼」「脱フロン」「熱の有効利用」という3方針のもと、実機展示されたCO2ヒートポンプ「ユニモ」シリーズをはじめ、アンモニア/CO2、アンモニア直膨、CO2直膨、空気冷媒と長年の技術開発により生み出された、豊富な冷媒システムを用意している。

独自の技術力でエンドユーザーのニーズに応えてきた有限会社柴田熔接工作所は、大型CO2冷凍機と自社システムに最適化されたユニットクーラーを開発。アンモニア、炭化水素にも対応できる技術を、展示会にて披露した。

こうしたメーカーらは、4年前とは比較にならないほど商品バリエーション、冷媒の選択肢が増えていることを示してくれた。
新たな製品開発、市場と丹生への期待
一方、本展示会では先々の展開が楽しみな、新たなシステム開発も見られた。
株式会社富岡電子工業は、取り外し可能な冷凍機-冷却器一体型のR290内蔵式ユニットを積載したショーケース、そしてCO2対応の別置型ショーケースの2種類を展示。2種の製品は、ともに他社とは差別化された技術が採用されている。

株式会社メイワと不二熱学グループは、共同開発中のR290空調用小形チラーを参考展示した。同製品は2024年4月の販売開始を目標に、目下テストが続けられているところだ。

それぞれのプロジェクトでは、開発に伴う法規制への対応、開発に伴うコストと時間など課題はいまだ多い。それらがクリアされれば、国内の技術開発や導入事例はさらに加速を見せてくれるという期待感が得られた。