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【連載:変化に立ち向かうHVAC&R業界のリーダーたち】第1回 オンラインに挑む原製作所

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界各地に猛威を振るう結果を生んでいる。事業単位に目を向けてみれば、事業継続のためにオフラインからオンラインへ移行する動きが、活発に行われている。

 

HVAC&R業界もまた、国内外を代表する展示会の多くが、延期および中止を余儀なくされた。この激動の時代に、国内企業はどのような対策を行い、変化し成長しようとしているのか。

 

『アクセレート・ジャパン』では、日本を代表する機器メーカーのトップにアンケートおよび取材を実施。彼らの回答から、業界が連携してこの危機をチャンスとするためのベストプラクティスを共有する連載をスタートさせた。

 

第1回は、昭和22年に創業以来、熱交換器・ユニットクーラーの専門メーカーとして活躍してきた株式会社原製作所。CO2直膨ユニットクーラーで大きく業界の注目を集めた同社は、若き社長のもとで新たな営業体制に挑戦する。

好調な業績のなかで、新たな挑戦へ向かう

2020年9月より新たな期へ入った、原製作所。前期は目標にこそ届かなかったものの、昨期比にて増収を実現できたという。代表取締役社長の原 正憲氏によれば、プロジェクト進行の関係から、同年3月〜8月は売上が少ない予想にあった。

 

「弊社は完全受注生産の体制のため、受注から製品を納めるまでに半年はかかります。そこから前期全体の数字を予想しましたが、前半が予想以上に好調だったことが功を奏しました」(原氏)。今期の目標も、手堅い成長を想定した数字にしたという。

 

今期で大きく変わるのは、社内の生産体制や営業スタイルだと、原氏は言う。建築関係・設備関係が密接に関わる同社では、紙の資料を広げながら内外と打ち合わせをすることが大半であった。

 

コロナ禍を契機に、業務管理の効率化を目指し電子化・Web化への移行を開始。やりづらさはある一方で、打ち合わせのスピードが迅速になり、遠方の取引先とも気軽にコミュニケーションできるようになったという。

 

「従来の対面の打ち合わせであれば、来週・再来週と打ち合わせの日程調整をしていた取引先とも、Web会議なら3日後という短い間隔で会うことができます。たとえば弊社が長年取引をしていた宮崎県のお客様は、これまで対面でお話しする機会がありませんでした。今回Web会議を活用して、はじめて面と向かっての商談が可能となったのです」(原氏)

原製作所の事務所全景

ここ数年で業績も着実に伸ばしていた原製作所、今回のコロナ禍は経営者・社員全員が気持ちを引き締めるいいきっかけになったと、原氏は言う。

食品業界の設備需要の変化を感じ取る

同社の生産するユニットクーラーの売上のうち、CO2の割合は一桁程度だ。しかしその数字にも、最近では徐々に変化の兆しを感じると原氏は話す。そう思ったきっかけは、設備業者からのCO2に関する問い合わせが増えてきたことである。

 

「大手の食品メーカーを中心に、環境配慮やキガリ改正への意識から、CO2への切り替えを本格検討する事業者様が急増しました。それを受けて、設備業者も対応を考え始めているようです」(原氏)

 

今後の需要についても、コロナ禍で変化が生まれるのではと原氏は予想。同氏が考えるのは、外食需要が低迷する一方で中食や冷凍食品への需要は増えるというものである。実際に原製作所に対して、食品業界からの問い合わせが微増しているようだ。

 

社内外の変化に、柔軟な対応を見せる原製作所。9月からの新たなスタートで、その変化が結実するかが楽しみである。