2020年12月25日、株式会社日立プラントサービスは日本熱源システム株式会社と、CO2冷凍機および大型冷凍・冷蔵設備事業に関する協業を開始したと発表。環境配慮で意志を同じくする2社の協業は、プロジェクト開始から約3カ月で成果を見せ始めている。
環境配慮の姿勢でお互いに共感
同プロジェクトは、日立プラントサービスが有する冷凍・冷蔵設備のエンジニアリング(設計・施工)・メンテナンスサービス・リニューアル技術と、日本熱源システムが製造・販売するCO2単独冷媒冷凍機「スーパーグリーン」を組み合わせ、低温保管・低温流通センター、食品工場、食品小売店舗等の幅広い分野のエンドユーザー向けに、冷凍・冷蔵設備を一括提供するというものである。
さらに、日立プラントサービスの高度な遠隔監視、予兆診断等デジタル技術を適用し、設備のさらなる安定稼働に貢献する。
日立プラントサービスは、かねてよりサステナブルな社会実現の観点から、SDGsの目標達成に向け「社会価値」「環境価値」「経済価値」の向上を全社で掲げている。その一環として、大型冷凍・冷蔵設備事業についても、特に環境価値の向上の面から社会価値の向上の観点も踏まえ取り組んできた。
そのうち、特に環境価値の向上を本市場にて実現するための検討を開始。3つの価値(社会価値・環境価値・経済価値)向上の観点から、あらゆる資機材を検討してきたという。その中で、日本熱源システムの「環境にいいね!」を合言葉にした冷凍機開発に魅力を感じ、自社方針と「環境」に向けた方向性が共感できると考えたことで、具体的に話を進めてきた。

エンドユーザーの安心を担保できる協業体制へ向けて
日本熱源システムは、中型・大型CO2単一冷媒機器のトップランナーとして、脱フロン化・CO2単一冷媒導入促進に向け、意思を同じくする施工会社・エンジニアリング会社・メンテナンス会社との連携を強く推進。既に国内外で28社以上のテクニカルパートナーと、協業するに至っている。
日立プラントサービスとの協業では、川崎市内の超大型冷凍倉庫の新設工事、大阪市内の大型冷凍倉庫の自然冷媒更新工事、埼玉県内の大型冷凍倉庫の新設工事を協業受注・施工中であるという。
現在も大阪市内、神奈川県内等多数の大型工事について、受注に向けて進展中だと日本熱源システム 東京営業部 部長の吉井 一氏は言う。
環境の方向性から、3つ価値向上に貢献
日立プラントサービスは創業以来、長年大型冷凍・冷蔵設備の設計・施工を手掛けてきた。その知見を十分に活かし、今後はさらに多分野の冷凍冷蔵倉庫へ、将来はサプライチェーン全体におけるトレーサビリティにもつながる事業へも発展させていきたいと同社 経営戦略本部 経営企画部の蒲生 弘行氏は言う。
その上で、デジタルソリューションとして遠隔監視・予兆診断など、高度なIoT関連の付加による差別化を含めた協業の深耕拡大にも努めていく。