2020年2月18日〜2月21日にかけて、幕張メッセにてホテル・旅館・観光・各種施設の日本最大級の商談専門展示会「HCJ2020」が開催された。本年は新型コロナウイルスによる影響を受け、来場者は40,255 名にとどまることとなった(前年度は67,171名)。それでも開催期間中は天候にめぐまれ、連日10,000名以上の来場者を記録。先に開催された「スーパーマーケット・トレードショー2020」と同様に、本展示会も多くの炭化水素ソリューションの進歩を、改めて目の当たりにすることとなった。
省エネかつローコストの新製品、続々と
プロパン、イソブタンの冷凍ストッカーやタテ型ショーケース、卓上ショーケースなどバリエーション豊富な商品を展開する、株式会社ジェーシーエム。着々と提携メーカー、生産工場を増やしている同社は、毎年新たなラインナップを揃えて展示会を賑わせている。本年はすでに市場へ投入している、対面冷蔵ショーケースを初展示した。
「菓子販売など対面販売を行う小売店舗には、高いニーズを秘めている商品でしょう。市場相場でも低い水準で商品を提供しています」と、専務取締役の馬 笑波氏は説明した。エンドユーザーからのニーズを反映し、スピード感を持って商品開発に努めているのがジェーシーエムの大きな特徴といえる。 ブースではもう1つの新製品である、デュアル型冷凍ショーケースも実物を展示。上下の棚を分割できることで、エンドユーザーの細かなニーズにも応えられる形となっている。同社は常に、環境配慮のみならず省エネ性能も意識した製品のアップデートを続ける。
卓上ショーケースはインバーターを内蔵することで、フロン類と比較して15%~20%の省エネを期待できる。大半のショーケース、冷蔵庫が経済産業省・資源エネルギー庁の指定するトップランナー制度に指定されていることからも、その姿勢がよく見えるだろう。新たにラインナップとして加えたタテ型冷蔵ショーケースは、さらなる安全性も追求している。ショーケースに備え付けのファンは、24時間稼働することで冷媒が漏えいした場合でも、空気が循環して拡散しやすいようにした。

結露防止と反熱効果が高い特殊ガラスを採用するなど、旧バージョンの冷蔵ショーケースより高い省エネ効率を実現した。「近年はLEDの採用など、省エネ対策は決して珍しくありません。今できる最大効率の機器を作りつつ、エンドユーザー様の手に取りやすい価格であること。それ以外の商品は作らないというのが、弊社の新製品開発の大前提です」。ジェーシーエムはこの姿勢を貫くことで、業務用冷蔵庫の分野でもノンフロンかつ省エネというポジションを確固たるものとしてきた。
ジェーシーエムは今後、対面冷蔵ショーケース、タテ型冷蔵ショーケース、卓上型冷蔵ショーケースを中心とした新ブランド「RIT」を立ち上げ、オンラインでの販売体制も整えていくとする。「『RIT』はこれからのネット発展に備え、既存のJCMブランドとは別に打ち出した製品です。国内で将来的に価格競争が起きれば、代理店の皆様と協力しつつ、インターネットの強みを生かしてこのブランドで対抗していく考えです」と、馬氏は語った。