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北米

Bimbo Bakeries USA、ベーカリー向けの自然冷媒システムを初導入へ

2020年10月21日、shecco主催の自然冷媒国際会議「ATMOsphere America」にて、メキシコの大手ベーカリー Grupo Bimboは、HFCからの移行先として、同社初となる自然冷媒導入を検討していると発表した。現在実施されている新システムの試運転では、従来システムと比較して年間30,000米ドルの削減が見込まれる。

ベーカリーの世界最大手、自然冷媒を選択

1945年に設立されたGrupo Bimboは、世界最大のベーカリーであり、33か国で200店舗を運営している。このうち62店舗は、米国の部門であるBimbo Bakeries USAによって運営されている。10月末より、Bimbo Bakeriesはシカゴの店舗の1つで同社初のアンモニア/CO2システムを稼働したと、コーポレートディレクターのクリス・ウルフ氏は述べる。

 

同店舗は5年前にBimboBakeries USAによって買収されたChicago bakeryが運営していた店舗だったが、R22、R422Bと冷媒を転換していたものの、冷媒漏えいに悩まされ続けていた。複数の技術を検討した結果、低充填量アンモニアの本システムを採用するに至ったという(容量1,255.5kW)。

 

Grupo Bimboのプロジェクトマネージャーであるフランシスコ・ピカゾ氏は、同システムはアンモニアの漏えいリスクを最大限回避しつつ、パン製造工程で優れた熱回収も発揮すると説明した。

コストをはじめとした課題とどう向き合うか

HFCからのシステム移行には、コストという課題が伴う。ピカゾ氏は本システムが、従来のものより約3〜4倍高価であることを言及する。

 

さらに、技術サポートの不足という課題も無視できない。南北アメリカでは、自然冷媒技術はまだあまり一般的ではない。機器が故障した場合、ダウンタイムが高額になる懸念があり、現地での技術サポートが利用できる段階になはにと、ピカゾ氏は説明した。

 

もう1つの課題は、HFCなど従来冷媒からの大胆な冷媒変更に伴う抵抗感である。Grupo Bimbo内のメンテナンスマネージャーとエンジニアリンググループは、自然冷媒システムが完全に安全ではなく、ともすればR22よりも環境に有害であるという、誤解に固執している面があることを打ち明けた。その上で、ピカゾ氏はこうした誤解を解くことに注力していきたいと語った。

 

2019年、Grupo Bimboは持続可能性への取り組みの一環として、米消費財フォーラムに参加した。米国では3年連続で、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)のエネルギースタープログラムの、年間最優秀パートナーにも選ばれている。複数の課題を抱えつつも、同社のやるべきことは変わらない。

 

私たちは持続可能で生産性が高く、人道的な企業であるというミッションに邁進し続けます。

Grupo Bimbo プロジェクトマネージャー フランシスコ・ピカゾ氏

参考記事:

Bimbo Bakeries USA Installs First NatRef System for Fresh Bakeries