2021年6月18日、経済産業省は関係省庁と連携し、2050年カーボンニュートラル社会の実現可能性を、更に高めるための具体的なグリーン成長戦略を策定したと発表。この戦略により、政策を総動員することで、持続的な成長とイノベーションを実現を目指す。
今後の取り組みで「脱フロン」に言及
2050年カーボンニュートラルの実現は、並大抵の努力では実現できず、エネルギー・産業部門の構造転換、大胆な投資によるイノベーションの創出といった取組を、大きく加速することが必要である。今後、政府はグリーン成長戦略に基づき、予算、税、金融、規制改革・標準化、国際連携など、政策を総動員することとなる。
今回発表されたグリーン成長戦略では、以下の2点に軸足を置き策定された。
①政策手段や各分野の目標実現の内容の具体化
②脱炭素効果以外の国民生活のメリットの提示
その上で、グリーン成長戦略では各産業における現状の課題と今後の取組を提示。⑧物流・人流・土木インフラ産業の③グリーン物流の推進、交通ネットワーク・拠点・輸送の効率化・低炭素化の推進の項目では、脱フロンおよび省エネ型自然冷媒機器導入の支援について明言された。
【現状と課題】
物流施設の低炭素化:庫内作業の省人化に伴う照明等エネルギー消費量の削減や、冷凍冷蔵倉庫における省エネ型自然冷媒機器の導入によるエネルギー消費量の削減及び脱フロンが不可欠。
【今後の取組】
自動化機器・システム及び再エネ設備等の導入により、物流施設のゼロエネルギー化を促進。併せて、冷凍冷蔵倉庫における省エネ型自然冷媒機器への転換に係る取組を推進。
(「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」より一部抜粋)
本戦略において、脱フロンの先が(グリーン冷媒ではなく)自然冷媒と書かれていることは、非常に大きな点と言えるだろう。
現在、「先進的省エネルギー投資促進支援事業」「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」といった各省庁による補助事業が展開されている。その流れに拍車をかける戦略となることを、大いに期待したい。