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ドイツ、ヒートポンプの新ブルーエンジェル認証取得の条件として自然冷媒を指定

ドイツ環境庁(UBA)は、ドイツの新しいエコラベル「ブルーエンジェル」の認証を受けるには、自然冷媒を充填したヒートポンプのみとすることを確認する中間報告書を発表した。

 

ブルーエンジェルは、40年以上にわたってドイツ連邦政府のエコラベルとして、環境に配慮した製品やサービスの基準を設定し、購入時のガイドとして機能してきた。そして現在、エコラベルは改訂が進められている。

 

報告書「自然冷媒を使用した家庭用ヒートポンプ。ブルーエンジェルのための気候に優しくエネルギー効率の高い機器の要件の開発(“Domestic heat pumps with natural refrigerants: Development of requirements for climate-friendly and energy-efficient appliances for the Blue Angel”)」 にて、UBAは家庭用ヒートポンプのブルーエンジェルエコラベルを再開するつもりであることを指摘し、「自然冷媒の使用はすでに基準として確立されている」と付け加えている。

 

8月に発表されたこの報告書は、家庭用ヒートポンプのブルーエンジェルのための具体的な基準案を作成することを目的としている。報告書では、ヒートポンプは技術的に可能な限り、エネルギー効率が高く、地球温暖化係数や大気中の分解生成物が高いFガスに依存しないことが重要であることを強調している。

 

ブルーエンジェルの最終勧告は2022年末に予定されています。

 

報告書では、特にR290はその特異な熱力学により、「エネルギー効率の高いヒートポンプに適している」ことが判明。炭化水素を使用するもう一つの利点は、油との溶解性が良いことで、粘度低下による蒸発器からの良好な除去につながるとしている。それにより、炭化水素はヒートポンプの効率にさらなるプラスの効果をもたらすと報告された。

画像出典:
Hauswärmepumpen mit natürlichen Kältemitteln, TEXTE 82/2022.
各項目の主な内容:
自然冷媒 + 効率的なヒートポンプ + 再生可能エネルギーによる電力 = 温暖効果ガス排出量がほぼゼロの暖房

 

ブルーラベルのその他の基準として、考えられる項目は以下の通りだ。

 

  • 騒音の低減(屋内および屋外)
  • ヒートポンプの効率的で安定した長期運転が確保されていること
  • スペアパーツやソフトウェアの更新が可能であること
  • ユーザーマニュアルに記載された運転と保守に関する推奨事項が明確であること
  • 回転式コントロールによる流水温度など、ユーザーにとって使いやすい設定オプションが容易されていること
  • 故障時のユーザーへの通知機能が備えられていること

 

弊サイトの発行元であるATMOsphereは、欧州全域における自然冷媒ヒートポンプの市場準備状況を明らかにする調査を実施。ドイツを主要国として、複数の企業がこれらのヒートポンプをポートフォリオに組み込んでいることを明らかにした。

参考

Germany Specifies Natural Refrigerants as a Requirement for Heat Pumps to Get New Blue Angel Certification
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。

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