2021年12月24日、政府は2022年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は107兆5964億円で、21年度予算比から0.9%増加、10年連続で過去最大を更新した。環境省と農林水産省、経済産業省、国土交通省連携事業である「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」の予算額は、21年度と同額の73億円となった。本年度は、同事業の最終年度としても注目されている。
多くの事業者が今後の行方に注目
2022年度「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」は、要求額と同額の73億円がそのまま決定額となった。2020年からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響もありながら、2021年度の交付件数は合計353件(事業所数にて計算)となり、昨年度の311件を大きく上回る結果となった。

「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」は2つある事業のうち、「再エネ電力活用推進のための冷凍冷蔵機器におけるエネルギー管理システム対応化調査検討委託事業」が2019年度を以って事業を満了。残る「先進技術を利用した省エネ型自然冷媒機器の導入補助」が、2022年度を目安に事業を継続する形となっている。
2017年度より継続されてきた本事業は、今年がいわば「事業最終年度」だ。今後の事業継続を切望する声は、メーカー、エンドユーザーを問わず広く耳に入っている。2月に開催された「HVAC&R JAPAN 2022」「HCJ2022」「第56回スーパーマーケット・トレードショー」の各種展示会においても、事業の継続を望む声が多数聞かれた。
2005年度より、名称を変えながら続けられてきた自然冷媒機器に関する補助金制度は、累計で3,214件交付されたこととなる。同事業は、15年以上にわたり「イニシャルコスト」という自然冷媒機器の課題点を支え続けてきた。
産業用分野・業務用分野において、ここ数年はCO2・炭化水素・アンモニアと多彩なソリューションが市場に広まった。この勢いを維持・加速させる重要な要素が、「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」なのだ。
2022年度は、事業の継続の有無について多くの関係者が注視する1年となるだろう。弊誌もその一員として、政府関係者の動向に注目したい。