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EU5カ国、PFAS規制の共同提案に関するフィードバック回答期限を10月17日まで延長

欧州のHVAC&R事業者は、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの5カ国が作成した、「一部のHFCおよびHFO冷媒を含むパーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)」に関するアンケートに、10月17日までに回答するよう求められている。

期限を延長

EU5カ国は7月15日、REACH規制に基づくPFAS規制の共同提案を2022年7月までに欧州化学品庁(ECHA)に提出する意向を表明。オランダ、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの関係各局は、PFASについて報告書「REACH Annex XV Restriction Dossier」を作成している。「stakeholder consultation」アンケートへの回答期限は、当初の9月19日から10月17日に延長された(アンケートはこちら

 

今回の調査は、「PFASのさまざまな用途について5カ国が持つ現在の概要」を回答者に提供することを目的としている。提示されたデータを確認し、フィードバックを提供することで、より正確かつ現時点で当局に不足している情報をもとに、「REACH Annex XV Restriction Dossier」が作成できるとの考えだ。

 

来年の提出後、制限案はその後、ECHAのリスクアセスメント委員会(RAC)と社会経済分析委員会(SEAC)による「最終意見の採択」を経て、欧州委員会(EC)で採択されることになる。

永遠の化学物質

4,700種類以上の高耐久性を持つ「永遠の化学物質」を代表するPFASは、多くの製品にしようされているが、人体に悪影響を及ぼす可能性が示唆されている。PFASには、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とパーフルオロオクタン酸(PFOA)が含まれ、EUではすでにそれぞれ使用が制限され、禁止されている。

 

5カ国の定義によれば、PFASは「HVAC&R用途で使用される特定のHFCやHFOを含む多くのガス」を対象としている。各国がPFASと認定したHFCは以下の通りだ。

  • R32
  • R134a
  • R125
  • R143a
  • R152a
  • R1234yf
  • R1234ze(E)
  • R1233zd(E)

 

これらのHFCやHFOは、分子構造中に少なくとも1つのCF2(パーフルオロメチレン基)または1つのCF3(パーフルオロメチル基)を含む物質という、各国で定義されたPFASに該当する。また、PFASの一つであるトリフルオロ酢酸(TFA)は、HFO-1234yfやHFC-134aの大気中の分解物である。

 

欧州のFガス業界は、HFCやHFOをPFASに分類することに反発している。欧州フルオロカーボン技術委員会(EFCTC)のウェブサイトでは「HFC、HFO、HCFOは明確なサブセットであり、その特性から一般的にはPFASとはみなされない」という声明が出されている。現時点において、HFCは「EU F-Gas Regulation」で別途規制されているが、HFOは規制されていない。

参考

Five European Nations Seek Feedback on PFAS, Including F-Gases, by October 17.

原著者:マイケル・ギャリー

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