日本熱源システム株式会社のトランスクリティカル(TC)CO2冷凍機「スーパーグリーン」が、フィリピン・タギッグ市にあるコールドチェーンイノベーションハブ(CCI-Hub)に設置され、フィリピン国内では初となる、TC CO2冷凍機となった。
2023年1月23日に運転を開始した、「スーパーグリーン」F型機は、ウォークインコールドルームとハブの空調に34kW(9.7TR)の冷却能力を提供し、コールドルームを-25℃まで冷却することができる。今回、冷凍機とコールドルーム、空調システムはCCI-Hubでのトレーニングやデモンストレーションに使用される予定だ。
CCI-Hubのためにカスタマイズされた機器
日本熱源システムの現地パートナー会社であるCold Front Technologies Asiaは、日本熱源システムのサポートのもと、TC CO2装置の設置と、特注のコールドルームの組み立てを行った。また、CCI-Hubでのデモンストレーションやトレーニングに実施しやすいよう、「スーパーグリーン」は設計の最適化もなされている。

CCI-Hubでは、新たに設置された日本熱源システムのTC CO2冷凍機以外にも、パナソニック株式会社の屋外用コンデンシングユニット2台、Güntnerのエバポレーター、Hussmannのスーパーマーケットショーケース、Carrier Transicoldの6m (20ft) ISO標準冷凍コンテナ(世界初の自然冷媒冷凍機)など、R744ベースの機器を展示している。
東南アジアへの展開
東南アジアでの自然冷媒の需要拡大に対応するため、日本熱研はマレーシア・フィリピンの現地パートナー会社と協力体制を組んでいる。この活動には、新市場でのトレーニングや能力開発の支援も含まれていると、代表取締役社長の原田 克彦氏は説明する。CCI-HubのFuture of the Industry Conferenceでは、テクノロジーとイノベーションのパネルに参加し、原田氏は今回の取り組みについて発表してくれた。
フィリピンのコールドチェーンを改善する
CCI-Hubは、「フィリピンにおける食品コールドチェーン改善のためのグローバル・パートナーシップ(FCC)」プロジェクトにおける、知識共有の集中プラットフォームとしての役割を担っている。このハブは、技術的なリソース、トレーニング、知識の共有、および関係者の協力関係の促進が主な役割だ。
FCCプロジェクトの目標は、フィリピンの食品コールドチェーン全体で、低炭素でエネルギー効率の高い冷凍技術やビジネス手法を特定し、その開発を奨励することである。この活動を通じて、フィリピン全土の食の安全と安心を向上させることを目的としている。FCCプロジェクトは、国連工業開発機関、フィリピン環境天然資源省、地球環境基金、TESDA、ATMOsphereの協力のもとで行われている。
参考
First Transcritical CO2 Installation in Philippines at CCI-Hub
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
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