オーストリアの新興企業pbxは、9 月 20-25 日にドイツ・ハノーバーで開催される IAA Transportation conferenceで、R290 を使用した小型商用電気自動車 (EV) 用の冷凍ユニット「ecos M24」を発表する予定だ。
本格的なゼロエミッション冷凍輸送を実現
クリーン冷却、ゼロエミッション物流、デジタル輸送のソリューションを提供するpbxの声明によると、これは「輸送用冷凍機として初めて市場に投入されたR290ソリューション」だという。
ドイツに新しく設立された、輸送用冷凍装置の専門メーカーであるECOOLTEC Grosskopfは、最近セミトレーラーやリジッド車体などのトラック向けに、少量の炭化水素プロペン(R1270)を主冷媒とし、二次回路にCO2を使用した電気駆動式の輸送用冷凍装置を発表した。
「ecos M24」は、電気自動車のルーフやフロントウォールに設置し、車両のトラクションバッテリーに直接接続するコンパクトなプラグアンドプレイ・ユニットである。最大3.5トンまでの車両に対応し、密閉されたユニットには最大140gのR290が含まれている。冷媒にR290を使用することで、現在市販されている高GWP冷媒とは異なり、食品や医薬品のためのゼロエミッション温度制御物流を提供する。
pbxの創業者兼CEOであるフィリップ・キタノスキー氏は、「我々のチームは、輸送用冷凍機の分野で非常に重要なマイルストーンを達成しました。先駆的な自然冷媒ソリューションと冷凍電気自動車を組み合わせることで、温度管理された商品のゼロエミッション物流への移行が可能になります」と述べる。
オーストリアの食品メーカーと共同で行った1年半のフィールドテストにより、「ecos M24」の利点は十分に検証され、同ユニットは市場投入可能な状態だという。
pbxは、「ecos M24」が現存の輸送用冷凍機より最大50%軽量化されていることから、車両の総重量を最大15%削減することにも貢献するという。これにより、車両の走行距離を最大25%延長できることも付け加えた。pbxによれば、これにより車両10台あたり6万ユーロ(約834万円)以上のコスト削減が可能になるという。
「ecos M24」は、冷凍の知識がなくても簡単に設置でき、ゼロメンテナンスで車両の稼働率を最大化できるように設計されている。pbxのデジタルサービスは、フリートオペレーターが車両の使用を最適化できるような運用上の知見を提供することで、同ユニットの使用をサポートする。
同社は、「ecos M24」は温度変化に敏感な商品輸送におけるパラダイムシフトであり、ゼロエミッション、優れた運用性、信頼性、コスト効率を可能にする と強調。このユニットにより、今後1~2年で、高効率冷蔵冷凍輸送への移行が、経済的に可能になるだろうというと付け加えた。「IAA Transportation」の参加者は、Deutsche Messe展示場のホール13にあるpbxのブースC2013で輸送用冷凍機の未来を体験することができる。
参考
‘First’ R290 Refrigeration Unit for Electric Vehicles to Launch at IAA Transportation Conference
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
ATMOsphereネットワーク
今回ご紹介した記事・発表について詳細を知りたい方・意見交換したい方は、ぜひATMOsphereネットワークにご参加ください!クリーンクーリングと自然冷媒の分野で志を同じくするステークホルダーと交流しましょう。(ATMOsphereネットワーク)