CO2冷凍機及びヒートポンプの使用増加が進む欧州。デンマークの新メーカーであるFenagyは、食品小売業を足がかりに産業用冷凍・地域暖房でCO2ソリューションの拡大・提案力強化を図る。
小売業以外へのCO2ソリューションの可能性
FenagyのCEO、キム・G・クリステンセン氏は、CO2がスーパーマーケット等の小売業で最も一般的な技術となりつつあることに触れ、小売業以外の領域においても、同社にとって事業開拓の大きな可能性を秘めていると語る。
「私たちはプロジェクト指向の服装であり、プロジェクトのすべてのフェーズに参加しています。競合他社のほとんどは、製品を提供することだけを望んでおり、他には何も望んでいない、非常に製品指向であると考えています」とクリステンセンは説明しました。
ヒートポンプと熱回収
Fenagyはヒートポンプソリューションについて、自然あるいは廃熱資源を活用し、地域暖房用の熱に変換する方法を採用している。地下水、廃水、海水、さらには周囲の空気などが、その熱源となりうるのである。
Fenagyは産業用冷却プロセスからの熱回収効率向上も目指す。回収された熱は、会社自身の暖房に活用可能だ。その企業がすべての熱を利用できない場合は、地域暖房システムや近隣の会社に供給することもできるという。
ヒートポンプと熱回収。両者の活用が化石燃料への依存減少に有効である。同社は化石燃料の使用をさらに削減するため、ソーラータービンまたは風力タービンからのヒートポンプを稼働させクリーンな電力のみを使用することを、プロジェクトの大目的に掲げる。
デンマークから欧州へ
Fenagyが本拠地を置くデンマークは、2030年までにCO2排出量を70%削減するという、非常に野心的な計画を立てている。また同国では地域暖房システムが確立され、住宅や民間産業で使用されるエネルギーの68%はこのシステムから供給されているのだ。
そしてデンマークは、過去12か月以内に「ヒートポンプ暖房に使用される電力に支払われる税金を90%削減する」「産業用分野から回収された熱を使用する税金を廃止する」など、いくつかの有益な法改正にも乗り出した。
こうした複数の国内事情が、Fenagyの目指すプロジェクトとも非常に親和性が高いということを、クリステンセン氏は語る。
もちろん、Fenagyはデンマーク市場の外にも目を向ける。ポーランド、フランス、英国、そしてドイツなど、地域暖房システムを備えた国は他にもあるからだ。
私達はプロジェクト指向の企業です。あらゆるフェーズにおいて、製品提供だけに留まらない技術開発を推進します。
Fenagy CEO キム・G・クリステンセン氏