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Life-C4Rプロジェクト、ウェビナーにてCO2システムの省エネ効果を報告

EUの共同出資により、温室効果ガスの排出量削減とエネルギー削減を目的として、超高効率のCO2冷凍システムの導入を促進するために設立されたLife-C4R(Carbon 4 Retail Refrigeration)プロジェクト。同プロジェクトに参加する食品小売業者は、2021年7月1日に開催されたウェビナーにて、温暖な環境下でのトランスクリティカル(TC)CO2機器導入に伴うエネルギー効率増加や、数々のメリットを報告した。

 

このウェビナーは、Life-C4RプロジェクトをコーディネートしたイタリアのOEM企業Epta社が主催したもので、3年間にわたるプロジェクトの締めくくりとなった。

6万回の洗濯機サイクルを節約

ウェビナーでは、ヨーロッパの小売業者3社(Conad Centro Nord社、Consum社 、Mega Image社 )の代表者が、FTE(Full Transcritical Efficiency)2.0やETE(Extreme Temperature Efficiency)技術を使用したシステムを中心に、Epta社の超臨界CO2装置の導入について説明した。Epta社は同ウェビナーにて、FTE2.0およびETE技術を統合した新バージョンのTCCO2ラック「Eco2Large」の発売を発表した。

 

ウェビナーにて、Epta社のプロダクトマネージャー、デビッド・ワース氏はFTE・
ETE両技術こそ、Life-C4Rプロジェクトの中心となると言及。実際に、2つの技術は過去3年間で数百の設備にて使用されてきたと、同氏は説明した。 

2019年10月に開始されたLife-C4Rプロジェクトの最初のプロジェクトは、夏の気温が頻繁に35℃に達するイタリアのカルペネドロに本拠地を置く、Conad Centro Nord社が運営する店舗で実施された。同店舗では、FTE 2.0システム搭載のEpta社のラック「Eco2Small」を導入。Epta社によると、標準的なソリューションと比較して54,514kWh/年の省エネ効果が得られた。これは、洗濯機約60,000回分に相当する。

 

Conad Centro Nord社の企画管理責任者であるステファノ・エリ氏は、同ソリューションの省エネ効果を高く評価する。同社はLife-C4Rプロジェクトの一環として、イタリア・ボローニャの店舗にETE技術を搭載したEpta社のシステムを設置。55,868kWh/年の省エネを実現した。

 

2つ目となるプロジェクトは、 Consum 社 がスペイン・ベニカシムにて運営する1,400m2の消費者向け新店舗で実施された。この店舗では、FTE 2.0とETEの両技術を組み込んだEpta社のTCCO2システムを採用した。

 

Consum 社は2020年に、17のスーパーマーケットでCO2システムを導入。これまでに、全700以上ある店舗のうち、113店舗にCO2冷蔵システムを採用した。ウェビナーにて、同社の組織管理担当役員のハビエル・マルティネス氏は、FTE・ETEを導入しないシステムとの比較で、昨年夏にベニカシム店では15%の省エネが実現したと話す。また1年間で、21,548kWhのエネルギーが削減された。

 

ベニカシムの店舗で導入したCO2は、コンプレッサーの吐出温度を大きく抑えつつ、中温帯のキャビネットでは蒸発温度が上昇。凝縮温度も下がり、高温時の効率低下の原因となるフラッシュガスが、ほとんど発生しなくなったという。ベニカシムの店舗における実証実験の結果、マルティネス氏は高温地域においても、CO2は現状利用可能な技術で最適な選択肢であると語る。

  

メンテナンスが容易で、365日継続してエネルギーを節約できるFTE2.0やETEなどの最適化ソリューションを組み込んだシステムとして、今後もCO2を採用していくつもりです。
Consum社 組織管理担当役員 ハビエル・マルティネス氏
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もう一つのプロジェクトは、2021年4月からルーマニア・シビウにあるMega Image社の店舗にて実施された。ここではEpta社のFTE 2.0搭載システム「Epta Eco2Small」を設置。同機種はHFCを使用した同等のシステムと比較して、消費量を10%削減するように設計されている。

実際に1年間の省エネ効果は、従来システムと比較して41,787回の洗濯機のサイクル減少に相当。これは10年間で、1,052台の小型車を減ら効果も期待できる。

 

ウェビナーに参加したAhold Delhaize社の一部門であるMega Image社のテクニカルマネージャー、ワシレ・カシアン氏は、同システムの厳しい温度環境下でも機能する高い信頼性を評価。今後も同様のシステム導入を、前向きに検討したいとした。

 

Life-C4Rプロジェクトでは、Conad Centro Nord社の2店舗、Consum 社 の1店舗、Mega Imageの1店舗に加えて、イタリア・ペルージャ(Oasi社運営)、ルーマニア・ティミショアラ(Auchan社運営)、スペイン・マドリッド(ALDI社運営)のスーパーマーケットでもFTE2.0/ETEを採用したシステムが設置されている。