EUの諮問機関であるEESC(欧州経済社会委員会)は、EUのFガス規制案に関する意見を発表し、2030年時点でヒートポンプ、ルームエアコン、冷凍機、冷蔵の新規用途において、GWP5を超えるすべての冷媒を禁止するよう要求した。この団体の意見は、欧州委員会(EC)、EU理事会、議会間の交渉によって出されたものである。
さらなる野心的な戦略を展開する「チャンス」
同意見書は、Fガス規制の報告者であり、リトアニア消費者団体連合を代表するケストゥーティス・クプシス氏によって起草された。意見書は賛成140票、反対1票、棄権6票で採択された。EESCはまた、高GWP冷媒(R404aなど)の使用を禁止し、すべての技術において150GWPの上限を設定すること。Fガスを含まない代替品の奨励制度と公共調達を推進し、EU加盟国が可能な限り、Fガスを含まない非常に低GWPの環境に優しいソリューションを奨励するよう、支援することを要求している。
EESCは、ECが提案したEU Fガス規制を歓迎するが、気候変動対策におけるEUの世界的リーダーシップを維持するために、さらなる野心的な戦略の展開が必要だと考えている。同委員会は、この規制の改定は”地球温暖化係数の高いハイドロフルオロカーボン(HFC)を使い続けるのではなく、地球温暖化係数(GWP)の低い自然な解決策を推進することによって、気候への直接的影響を大幅に減らすチャンスだ”と主張している。
EESCはまた、中間的な解決策を避け、最もGWPの低いFガスフリーの選択に直接移行することを促進することが、極めて重要であると指摘。EUの市場は、これが実現可能であることを示しており、EUは模範を示してリードすべきであるとする。EESCはまた、リサイクル、再生、保守・点検をより複雑にするという理由から、低GWPのものであっても、あらゆる種類のFガス混合物の運用に注意を促す。
EESCは、EUの社会的・職業的利益団体の代表者などが、EUの問題について自らの見解を表明するための諮問機関である。
EESCは、欧州の企業や家庭が今後数十年にわたって気候変動に有害な機器のストックを背負うことがないよう、より野心的に選択をすべきと考えています。
EESC ケストゥーティス・クプシス氏
参考
EU Advisory Body Calls for 2030 Ban of GWPs Over Five for Heat Pumps, Room ACs, Chillers and Refrigeration
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
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