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Ekoplaza、CO2システムを初導入

オランダのオーガニックストアチェーンEkoplazaは、83店舗すべてを自然冷媒に転換する計画のもと、トランスクリティカルCO2システムを初めて導入した。小規模小売店舗で自然冷媒導入に成功した事例として、国内でも注目を集めている。

初期投資コストを抑えつつ導入に成功

Ekoplazaの導入事例は、EUが資金提供する「RefrigerantsNaturally4LIFE(RefNat4LIFE!)」で紹介され話題となった。同社は1980年、アムステルダムのオーガニックスーパーマーケットとしてスタート。現在では、オランダ国内に83の店舗と39の集荷拠点を持つ小売チェーンに成長している。

 

CO2を導入したのは、オランダのハーレムにある小規模なオーガニックショップで、売場面積は529m2、従業員は6名である。2020年に店舗拡張の必要性が生じ、既存の敷地の隣に売り場を増築。それに合わせ、既存のR404Aから最新のシステムへアップグレードする必要が生じた。

 

Ekoplazaが重視したのは持続可能性であると、同社フォーミュラーマネージャーのヘール-ヤン・スミッツ氏は言う。「資源をより良く、より持続的に、より効率的に利用するにはどうすればよいか。この目標達成に向け、私達は自然冷媒のシステムを、戦略的に選択しました。このシステムこそ、会社の持続可能性の目標に沿った、長期的で将来性のあるソリューションをであるためです」(スミッツ氏)

 

今回の冷媒転換に際し、税務上の投資控除により、トランスクリティカルCO2システムへの純追加投資は、従来のHFCベースのシステムと比較してわずか12,000ユーロ(約1,560,000円)増に留まった。電力消費量(95,000kWh/年)は以前の設備と同等だが、CO2システムは暖房用の天然ガスを消費しないため、年間約3,500ユーロ(約456,000円)の節約となり、わずか4年で初期投資分を回収可能だ。

 

Ekoplazaは自然冷媒と省エネに力を入れており、将来的には100%自然冷媒に切り替えることを目指しています。
Ekoplaza フォーミュラーマネージャー ヘール-ヤン・スミッツ氏
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しかし、このプロセスにどれだけの時間がかかるかは経済的な要因に左右され、対象となる店舗によって状況も異なる。既存機器の改修か、内蔵型ケースの使用か。店舗に応じた代替的な選択肢を用意した上で、プロジェクトは遂行されることとなるだろう。