環境調査エージェンシー(EIA)は、ワシントンD.C.の小売店45店舗を数カ月にわたり調査。その結果、半数以上にあたる57%の店舗でHFCの「測定可能な漏えい」を検出。この結果は、同国内において規制がない現状を反映している。
ALDI US 3店舗以外の全店舗でHFC使用を確認
EIAの調査員は、店舗に検出器を持ち込み、2ppmからの漏れを測定。ある店舗では赤外線カメラを使用して、冷蔵陳列ケースの中の商品にHFCが漏れている様子を確認した。ワシントンD.C.の拠点では、今回の調査結果を「Leaking Havoc」というレポートにまとめ、「Leaking Havoc: Exposing Your Supermarket’s Invisible Climate Pollution」と題したレポートを発表した。報告書の内容を紹介する動画も、レポート名と同名でYouTubeにて公開されている。
漏えいが検出された45店舗のうち、20店舗はWalmartが運営。EIAの調査員は、60%の店舗で冷媒の漏れを検出した。Walmartは2020年9月、全世界で「GHG排出量ゼロを目指す」という公約の一環で、「2040年までに店舗やクラブ、データセンターや配送センターの冷房を低負荷の冷媒に、暖房を電動化した機器に移行する」と発表したばかりだ。
EIAが訪問した他の25店舗は、それぞれAhold Delhaize(Giant)、Albertsons(Safeway)、ALDI US、Amazon(Whole Foods)、Costco、Kroger(Harris Teeter)、Target、Trader Joe’s、Wakefern(ShopRite, Price Rite)が運営している。使用されていた冷媒は、R404A、R407A、R507が中心だ。
米国で先進的にCO2システムを採用する、ALDI USの3店舗を除き、訪問したすべての店舗でHFCの使用が確認された。EIAの報告書は、ワシントンポスト紙の記事でも取り上げられ、米国内ではバイデン政権におけるHFC規制の政策実施に、期待が寄せられている。