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Dorin社、Eバス・鉄道向けCO2コンプレッサーを発売

イタリアのコンプレッサーメーカーDorin社は、鉄道やEバスの空調といった移動式HVAC用途に向けたCO2コンプレッサー「BOXÉR」シリーズを正式に発売した。「BOXÉR」シリーズは世界最大規模のバス関連展示会「Busworld 2019」で初めて世界に発表され、最高レベルの効率性と信頼性を実現するためのテストと改良を重ねてきた。

低振動、静穏性を実現するためのデザインを採用

「BOXÉR」シリーズはコンパクトで左右対称のデザインを採用している。高さは235mmで、同容量の従来のV字型コンプレッサーに比べ最大42%低く設計された。「BOXÉR」シリーズは、コンプレッサーが可能な限りコンパクトでなければならない、屋上設置に最適であるとDorin社は説明する。

 

「BOXÉR」シリーズには、冷房能力4~28kW(蒸発温度10℃)、暖房能力4~23kW(蒸発温度-20℃)の2種類のモデルを用意。ユニットはインバーター駆動で、25Hz~70Hzの範囲で動作する。乗客の音響的な快適性が優先される用途において、低振動、静穏性という利点を最大限発揮するため、コンパクトでシンメトリーなデザインが採用された。

 

また左右対称のデザインは、ドライブシャフトへの負荷を軽減し、より高いCOPを実現するとともに、ドライブギアの長期的な摩耗を低減させる。その結果、メンテナンスコストの削減につながるとDorin社は説明する。

 

新設計のもうひとつの特徴は、コンプレッサーのシリンダーバンクの間隔を広げ、迅速な冷却を可能とした点だ。「BOXÉR」シリーズは、外部の吐出マニホールドにもユニークなデザインが採用されている。シリンダーバンクの間隔と合わせて、極端に低い温度条件でも乗客に快適な暖房を提供できる(同シリーズの最低蒸発温度は-30℃)

 

このCO2コンプレッサーには4極の電気モーターが搭載されており、2極のモデルも近日中に導入予定。これにより最大の排気量が得られ、望ましい性能比と優れた運転コストが実現できるとDorin社は言う。

 

現在のモデルは鋳鉄製のハウジングを採用しているが、アルミニウム製のハウジングを採用したモデルも現在検証中だ。それぞれのモデルには、メンテナンスコストの削減と長寿命化のため、半密閉式の実行が可能である。現在、4種類のセミハーメチックモデルがあり、いずれも4つのシリンダーがボクサー構成で配置されている。コンプレッサーの最大使用圧力は150bar(約148気圧)である。

参考

Dorin Launches CO2 Compressors for E-Bus and Railway Applications

原著者:タイン・スタウスホルム

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