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Delhaize社、CO2対応の蒸発冷却システムを100台以上導入

ベルギーの小売企業Ahold Delhaizeグループ傘下のDelhaize社は、トランスクリティカル(TC)CO2システムに対応した既存の空冷式ガスクーラーに、蒸発冷却システムを導入。導入台数は100台以上にのぼり、ガスクーラーを省エネ型の断熱システムに転換させた。

既存の設計要件を満たした上で省エネを実現

イタリアの部品メーカーCarel社の「chillBooster」と呼ばれる蒸発冷却システムは、加圧ポンプ付きのキャビネットと、凝縮ユニット周囲のスチール製マニホールドに取り付けられたノズルシステムで構成されている。

 

Delhaize社は、2019年の夏に一連の熱波が発生し一部店舗で冷蔵性能に問題が生じた。コールドルームや冷蔵ショーケースの性能が全体的に低下したことに加え、気温の上昇により複数のユニットが停止し、その結果、陳列されていた商品が失われ、場合によっては数日間の閉店を余儀なくされたという。

 

Delhaize社は、Carelの「chillBooster」を設置することで「猛暑時の性能低下の抑制に努めたと、Delhaize社の技術・設備担当マネージャー、マーク・フェルレイエン氏は述べる。

 

「chillBooster」の断熱コンデンサーは、周囲温度が高いときに水を噴射して空気を冷却するように設計されていることで、猛暑時のシステム効率と性能維持・向上に寄与する。さらに、Carel社はチルブースターによって凝縮器の空気流入温度を10〜15℃程度下げることができるという。

 

「chillBooster」は、ベルギー国内のスーパーマーケットにある120台のガス冷却装置に設置された。システム柔軟性によって、それぞれのシステムの異なるニーズに適応させることができたとCarelは説明し、既存の設計要件を満たした上で、省エネ面ですぐに効果を発揮しているという。効率の面ですぐに利益を得ることができました」とCarelは述べています。

 

マーク・フェルレイエン氏によると、断熱システムは現在、Delhaizeの全店舗の標準オプションになっている。「Delhaize Belgium」は約900店舗あり、そのうち140店舗は自社で運営している。これらでは、現在75%がCO2冷凍機に切り替えられている。転換店舗は、平均15%の省エネ効果が得られている。

参考

Delhaize Installs Evaporative Cooling System at More Than 100 CO2 Stores
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。

 

原著者:タイン・スタウルホルム

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