デンマーク政府は、2億5,000万デンマーククローネ(約3,600万米ドル)を、「グリーン」暖房の普及とデンマーク国内の天然ガス使用の段階的削減、その過程でロシア産ガスへの依存度を減らすために支出することを決定した。
この資金は2022年に投入され、主に「グリーン」な地域暖房や小規模な共有暖房の普及に向けた自治体の取り組みに対するアドバイスや支援、省エネ活動の推進、ガスボイラーを交換する人に対する補助金制度に充てられる予定である。
デンマークは、家庭用の小型ヒートポンプから暖房や産業用の大型ヒートポンプまで、ヒートポンプの開発・利用において長い間トップランナーであり続けている。
「暖房用の天然ガスや石油から脱却することは、グリーン暖房にとって大きく重要なステップ」と、気候・エネルギー・供給担当大臣のダン・ヨルゲンセン氏は、同省ウェブサイトで声明を出した。
「国全体で持続可能な代替案を実現するためには、計画、助言、支援のすべてが必要です。特に、ロシアのガス事情が不透明であることを考慮すると、私たちはより一層、省エネに取り組まなければなりません。私たちは今、より環境に優しく安全な日常生活に向けて、全く新しいペースで加速していることを嬉しく思っています」(ヨルゲンセン氏)
いくつかのデンマークの地域暖房事業者は、エネルギー効率を高め二酸化炭素排出量を削減するために、すでにアンモニアヒートポンプに切り替えたという。
2021年2月には、地域暖房事業者のSaltum Fjernvarmeが、0℃で1.2MWの能力を持つアンモニアヒートポンプを導入。アンモニアヒートポンプは年間8,000MWhのエネルギーを生産することができ、これはソルタムの顧客の消費量の80%に相当する。ソルタムはこの新システムにより、年間CO2排出量の約70%(年間1,150メートルトン)を削減できると見込んでいる。
2021年11月、デンマークの別の地域暖房事業者Marstal Fjernvarmeは、10年前のCO2ヒートポンプを新しいアンモニアシステムに置き換え、年平均COPを3から年平均5〜5.5にまで高められた。
参考
Danish Government Dedicates US$36 Million to Promote ‘Green’ Heating Initiatives
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
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