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中通冷蔵、3年間のプロジェクトで三菱重工冷熱のCO2冷凍機を採用

広島県竹原市の中通冷蔵株式会社は、2019年から3年間をかけて三菱重工冷熱株式会社の取り扱うCO2冷凍冷蔵コンデンシングユニット「C-puzzle(三菱重工サーマルシステムズ社製)」の導入を実施。新築に伴う冷凍機設置と、設備老朽化に伴う機器更新で設置されたCO2冷凍機は、いずれも順調稼働し省エネ効果も発揮している。取締役社長の小坂 政彦氏に、プロジェクトの詳細を聞いた。

多角的な観点から三菱重工冷熱へ依頼

冷凍冷蔵業、食品加工並販売業、倉庫業を営む中通冷蔵。小坂氏は取締役社長就任以前は、運送部門を担当 していた。2017年に取締役社長に就任したのをきっかけに、冷蔵倉庫部門を管理することに。そこで問題となったのが、R22を使用していた冷凍冷蔵機器の老朽化だったという。冷媒漏えいはもちろん、稼働状況も悪く電気代が大きなコストとなってのしかかっていた。

 

小坂氏が自然冷媒のことを知ったのは、2017年のこと。同社が所属する広島県冷蔵倉庫協会にて、メーカーによる自然冷媒の説明会が開催された。当時、会員企業からは冷媒使用について様々な意見が見られたという。代替フロンを引き続き使用するか、自然冷媒へと転換すべきか。中通冷蔵は環境や将来的なHFCの段階的削減を見据え、自然冷媒を選択した。

 

同社が保有する倉庫は、約1,400坪の敷地内に6棟存在する。1棟につき200~300坪という規模の関係で、より省スペースなCO2冷凍機の方が好ましいという結論に至った。小坂氏は、先の説明会に参加していた企業も含め複数社に相談。そのなかで、過去の実績やメンテナンス体制への信頼、真摯な対応、倉庫スペースと冷凍機のサイズ感が合うといった様々な観点から、三菱重工冷熱を選択したという。

3年におよぶプロジェクトの成果

冷凍機の設置・更新プロジェクトは2019年~2021年の3年間で実施された。その内容は以下の通りである。

 

1.2019年2月 機器更新プロジェクト
設置機器:HCCV2001MF(20馬力モデル) 
温度帯:F級
収容t:1,186t

 

2.2020年2月 新設倉庫設置プロジェクト
設置機器:HCCV2001MF(20馬力モデル) 
温度帯:F級
収容t:1,260t

 

3.2021年9月 機器更新プロジェクト
設置機器:HCCV2001MF(20馬力モデル) 
温度帯:F級
収容t:1,010t

 

機器更新は倉庫の稼働を止めずに行われたが、いずれのプロジェクトにおいても、設置・更新に大きな課題はなかったという。同社はフロン機・自然冷媒機のいずれも空冷式を採用していたが、夏場での運用もつつがなく行われ、年間約20%の省エネ効果も得られていると、小坂氏は説明する。

 

3年間のプロジェクトにより、中通冷蔵では約60%の設備が自然冷媒化された。今後は既存のフロン機の老朽化に合わせて、自然冷媒採用を検討していきたい考えだ。

 

冷蔵庫冷凍倉庫にとって、冷凍機はなくてはならないものです。今回のフロンからCO2への転換により、環境負担軽減や持続可能な社会の実現に、微力ながら貢献できると考えています。

中通冷蔵株式会社 取締役社長 小坂 政彦氏
中通冷蔵株式会社 取締役社長 小坂 政彦氏

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