2022年3月30~31日に開催されたshecco主催の国際イベント「ATMO World Summit 2022」において、フィリピンの持続可能なフードコールドチェーンを研究・開発するプロジェクト「CCI-Hub(Cold Chain Innovation Hub」のグローバルパートナーシップ責任者であり、shecco Japan代表のヤン・デュシェックが、プロジェクトの最新情報と産業界への貢献の機会について説明した。
先駆者達が協力を表明
デュシェックは、sheccoの国際ブランド「ATMOsphere」が主催するオンラインイベント「ATMO World Summit 2022」にて、フィリピンを拠点に持続可能なフードコールドチェーン技術の展示やトレーニングを行うCCI-Hubの改修と準備が、3月中に完了する予定であることを報告した。「建物の改修は2022年1月から行われており、今月中に完了する予定です。海外やフィリピンの貢献企業からの機器提供を受け取り開始する準備が、間もなく整います」(デュシェック)
デュシェックは、「ATMO World Summit 2022」の「CCI-Hub Project Updates and Industry Opportunities」と題したプレゼンテーションの中で、この発表を行なった。CCI-Hubに提供された各種機器は、トレーニング、デモンストレーション、展示の目的で使用される。「我々は、持続可能なフードコールドチェーン技術に関する機器、知識または専門知識のより多くの産業貢献を今も求めています。私たちの活動に、興味のある全ての方からの問い合わせ・連絡・相談を歓迎します」(デュシェック)

CCI-Hubは、フィリピンのフードコールドチェーンをアップグレードする取り組みの一環として、2019年に発足した。同プロジェクトの「フィリピンにおける食品コールドチェーン改善のためのグローバルパートナーシップ」イニシアチブは、国連工業開発機関(UNIDO)とフィリピン環境天然資源省(DENR)が共同で主導している。ATMOsphereは、このプロジェクトの主要な実行パートナーの一つだ。
すでに16社以上の企業が、同プロジェクトへの貢献を表明している。その中には、AHT社、Güntner社、Grundfos社、Epta社、embraco Nidec社、Hussmann社、パナソニック株式会社の業務用食品小売分野におけるR290およびCO2ベースの装置が含まれている。また、輸送用冷凍機分野には、Carrier Transicold社、Productbloks社、日本フルハーフ株式会社、豊田通商グループの株式会社ネクスティエレクトロニクスのR290とCO2ベース機器が含まれる。
Vestfrost Solutions社とDanish Technological Institute社は、ポストハーベスト農業分野向けの太陽電池式冷却装置を提供する。Coldfront Technologies Asia社、日本熱源システム株式会社、Future Green Now社、Teko社もまた、CCI-Hubに機器、トレーニング、知識、専門知識の提供を約束している。
プロジェクトの詳細
「フィリピンにおける食品コールドチェーン改善のためのグローバル・パートナーシップ」イニシアチブは、食品コールドチェーン全体を通じて、低炭素でエネルギー効率の高い冷凍技術やビジネス手法の特定、開発、適用を促し、食品の安全性と食料安全保障を高めることを目的としている。同イニシアチブには、地球環境ファシリティ(GEF)から200万ドル、共同出資(現物、グラント、ローン)で2,500万ドルの資金が提供されている。
CCI-Hubは、技術リソース、トレーニング、知識の共有、関係者の協力などのエコシステムを提供するプロジェクトの主要プラットフォームとして機能する。昨年、TESDAがCCI-Hubをホストする正式な国家機関として発表された。
「ATMO World Summit 2022」のプレゼンテーションでは、CCI-Hubはフィリピン共和国の専門的教育・技術の向上機関「TESDA(The Technical Education and Skills Development Authority)が作成した、3Dビデオ・レンダリングビデオを公開した。
動画:3D Rendering of Proposed CCI-Hub at TESDA
詳細について知りたい方へ
CCI-Hubのプロジェクトの発表に関する最新情報をご希望の方は、公式ニュースレターにご登録いただくか、CCI-Hubのグローバル・パートナーシップ責任者であるヤン・デュシェック(jan.dusek@shecco.com)までご連絡ください。
参考(2022年特別号『アクセレレート・ジャパン』)
ATMOsphereネットワーク
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