カリフォルニア空気資源委員会(CARB)は、2020年10月20日に冷凍および空調設備で使用される冷媒に対するGWP制限に関する最後の公開提案募集を発表。10月23日より、45日間各種提案の募集期間が始まる。公開提案はこちらから閲覧可能だ。
カリフォルニア州で進む冷媒規制
2020年10月21日にsheccoが主催した自然冷媒国際会議「ATMOsphere America 2020」にて、CARBの大気汚染スペシャリストであるグレン・ギャラガー氏は、書面にてコメントが寄せられることを歓迎。その内容を真剣に受け止め、公開提案を元に法規制整備に努めたいとした。
期間終了後、公開提案は12月10日または11日に、CARB理事会にて取り上げられることとなる。なお会議はリモート出席で公開され、こちらから閲覧可能だ。内容が承認された場合、約1年後に法的効力を発揮する。
CARBが主導するカリフォルニア州は、2030年までに排出量を2013年のレベルより40%削減するため、HFCのさらなる規制を推進することに、最も積極的な米国の州で知られる。
同州では冷媒充填量が50ポンド(約22.7kg)を超える新しい非住宅用冷媒機器に対して、2022年1月1日時点でGWP150未満の冷媒を使用するよう制限されている。さらに20店舗以上を営業する食品小売業者は、以下の2つを達成するよう定められている。
・2026年までに加重平均冷媒GWPを2,500未満に維持し、GWP潜在充填量を25%削減する。
・2030年までにすべての店舗の平均GWPを1,400未満し、GWP潜在充填量を55%削減する。
さらに同州では、あらゆるサイズの固定空調設備にたいして、2023年までにGWP750未満の冷媒を使用する必要がある。
CARBは、2023年・2024年に建設されるACユニットの初期設備充電とサービスで、再生R410の使用を許可することを検討している。これらの検討に関して、CARBはアメリカ暖房冷凍空調学会(AHRI)と環境アセスメント(EIA)から情報を得ていると、ギャラガー氏は付け加えた。
カリフォルニア州に発された新たな大統領命令は、「2045年までにGHG排出量を正味0を達成する」というもの。ギャラガー氏はこれを「大規模事業」と呼ぶ。 同氏はこの結果を手にするたため、「今後2、3年以内にさらなるHFC規制が必要になるでしょう」と考える。