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【ATMO APAC Summit 2022】ベニレイ・ロジスティクス、初の大型冷凍機導入の成果【エンドユーザーパネル】

2022年6月27日、ATMOsphere主催の国際会議「ATMOsphere(ATMO) APAC Summit 2022」の一日目となるイベントが、東京コンファレンスセンター・品川にて開催された。二日間の日程で開催される本イベントにおいて、一日目は日本市場に焦点を当てた各種セッションが展開された。

 

エンドユーザーパネルでは、株式会社ベニレイ・ロジスティクス 大阪南港事業所 所長 田森 克昌氏が登壇。パナソニック株式会社の80馬力CO2冷凍機の初導入事例となった同社の、1年の成果が発表された。

通年で約33%の省エネを実現

ベニレイ・ロジスティクスは国内4事業所を有し、総設備能力62,500トンを保有する。同社は丸紅グループの食品流通の一翼を担い、親会社である株式会社ベニレイや大手量販店、コンビニエンスストア、外食産業、食品加工会社などに食品を届けている。

 

パナソニックのCO2冷凍機を導入した大阪南港事業所は、大阪府大阪市住之江区にある。保管設備は約20,000トン、2022年で竣工から44年が経過した。当該機器の導入にあたり躯体調査を実施し、十分な強度が確認できたことにより、2020年度に環境省の「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」を申請。冷却設備の更新を実施した。

 

今回の機器更新は、当時日本国内において初めて、パナソニックの大型CO2冷凍機が導入された事例だった。

 

大阪南港事業所の特筆すべき点は、2020年度に実施されたプロジェクトによって「オールCO2冷凍倉庫」を実現した点にある。冷凍倉庫は5階建てとなっており、1フロアに80馬力冷凍機2台と、冷却器4台を使用。大阪南港事業所は、1フロアが2部屋に分かれており、両方の部屋を冷却できる機器配置としている。万が一冷凍機が1台故障しても、冷却運転が完全に停止しない設計となっている。

 

中央監視システムでは、庫内温度に加え冷凍機の運転データ、使用電力量をモニタリングしている。それらを日報として自動出力する。毎日ベニレイ・ロジスティクスの担当者がそれらのデータをチェックし、品質管理に努めている。施工会社より遠隔監視しており、異常・トラブル時に迅速対応できるようにしている。

 

導入後の電気使用量の変遷だが、2019年度の既存冷凍機(R22使用)と2021年度のCO2冷凍機更新後とでは、すべての月で導入前より少ない使用電力量で運転が実現。通年では約33%の削減効果を得た。また、肝心の冷却能力においても、R22冷凍機より向上していると田森氏は実感する。

 

同社では、コロナ禍で実現が遅れたが、現在は希望者に大阪南港事業所でのCO2冷凍機の見学を開始。自然冷媒導入の周知活動も積極的に行っているという。

 

丸紅グループは環境に向き合うことで、豊かな未来を創造するために、地球環境保全のさらなる具体化を進めています。私達は日本全国の自然冷媒機器導入の加速化のため、今回の冷凍機導入を様々な方法で周知し、協力していきたいと考えております。

株式会社ベニレイ・ロジスティクス 大阪南港事業所 所長 田森 克昌氏

参考

「ATMO APAC Summit 2022」

株式会社ベニレイ・ロジスティクス 大阪南港事業所 所長 田森 克昌氏