11月3日にオンラインで開催された「ATMOsphere America 2021」(ATMOsphere主催)のエンドユーザーセッションにて、フロリダ州レイクランドに本社を置くチェーン店、Publix Supermarkets社(以下、Publix社)は、新規店舗および既存店舗の交換用ユニットのすべての小型ショーケースに、R290を使用すると発表した。
充填量引き上げにも前向き
Publix社は、現在南東部7州で1,284店舗を展開している。同社の講演には、Refrigeration & Energy Programマネージャー、ダグ・ミル氏が登壇。現在、R290の充填量は150gに制限されているため、Publixはレジの飲料用クーラー、店舗出口のソフトドリンクマシン、ロビーの自立型ショーケース、新鮮なオーガニックペットフードを入れるショーケースなど、小型ショーケースに限定してR290を使用している。
先月、米国安全機関(UL)は炭化水素等の充填量制限の引き上げを含む、UL 60335-2-89規格の第2版を承認した。新規格では、業務用内蔵型ショーケースにおいて、オープンタイプの機器の場合、冷媒の下火限界(LFL)の13倍(R290の場合は500g)まで充填量を引き上げられる(扉・引き出しのある密閉機器は300g)。
ミル氏は、より大きなR290キャビネットが利用可能になれば、その設置を前向きに検討したいと述べる。
R290の大型ショーケースの設計、製造、提供は機器メーカーの役割ですが、私達はいずれ、近い将来そうした商品が市場へ投入されると予感しています。
Publix Supermarkets社 Refrigeration & Energy Programマネージャー ダグ・ミル氏
True Manufacturing社のようなR290ショーケースメーカーは、彼らの機器を扱う技術者にトレーニングを提供しており、RSES(Refrigeration Service Engineers Society)はR290、R600a製品に関する「質の高いトレーニング」を提供しているという。
Publix社では、主に集中ラックシステムを使用して採用している。同チェーンでは、約78店舗でCO2 DX(低温ケース用)、ポンプ式CO2リキッドオーバーフィード(中温ケース用)システムを使用しているが、一部の店舗でトランスクリティカル(TC)CO2システムの導入を開始した。
参考
ATMOsphere America: Publix Committed to R290 for Small Plug-In Cabinets
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
原著者:マイケル・ギャリー
ATMOsphereネットワーク
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