ATMOsphere(旧shecco)は欧州、北米、日本における市場調査を実施。2022年12月時点で北米(アメリカ、カナダ)において、アメリカで1,150施設、カナダで745施設の計1895施設(業務用・産業用)にてトランスクリティカル(TC)CO2冷凍システムが使用されているという推定を発表した。同調査では、日本では2022年12月時点で、6,960施設のTC CO2冷凍システムの設置が確認されている。
159ページにわたる市場調査「天然冷媒。欧州、北米、日本における商業・産業用冷媒の現状、2022年版(“Natural Refrigerants: State of the Industry, Commercial and Industrial Refrigeration in Europe, North America and Japan, 2022 Edition,”)」は、こちらから無料で閲覧できます。欧州市場のみに焦点を当てた旧版は、昨年10月に発行された。
TC CO2の主要市場である欧州では、55,000の店舗と2,000の産業用施設を含む57,000の施設が、TC CO2システムを導入していると推定されていることが、本調査で明らかになった。このうち、店舗では50,000施設がコンプレッサーラックシステムを、5,000施設がコンデンシングユニットを使用してる。
報告書では、欧州と北米における業務用炭化水素キャビネットと、産業用低充電アンモニアシステムの設置状況についても報告されている。さらに、3つの市場における自然冷媒の成長に影響を与える経済・政策動向、CO2、炭化水素、アンモニア冷凍の一般的な傾向やトレンドについても考察している。
「10年後までには、自然冷媒は先進国の多くの地域で商業・工業設備の大半を占めるようになるでしょう。この波が、ヒートポンプやエアコン、輸送用冷凍機など、他の住宅・商業・工業用途を追い越すのは時間の問題です」(ATMOsphere創設者兼発行者 マーク・シャセロット)
店舗と産業用地の比較
この研究では、店舗と産業用地(主に低温貯蔵施設)における超臨界二酸化炭素の導入量を別々に推定している。米国では、1,030の店舗と120の産業用地でTC CO2システムが使用されており、カナダでは575の店舗と170の産業用地でTC CO2システムが使用されている。北米の標準的なTC CO2システムは、コンデンシングユニットではなくコンプレッサーラックだ。
北米では、TC CO2システムがスーパーマーケットや食料品店に、ほぼ独占的に設置されている。北米にはスーパーマーケットと食料品店が71,348店あり、TC CO2システムの市場浸透率は2.2%である。TC CO2の潜在的な市場であるコンビニエンスストアを加えると、北米の全店舗数229,452店に対する市場浸透率は0.7%となる。
今回の調査で、日本では2021年に報告された5,800店舗から、昨年12月時点でコンビニエンスストア6,300店舗、スーパーマーケット300店舗の合計6,630店舗が、屋外型コンデンシングユニット(OCU)を中心とするTC CO2システムを導入していることが判明した。
導入の大半は、コンビニエンスストアを運営する株式会社ローソンであり、2022年12月時点でCO2使用している店舗は5,028店(店舗数14,656店の3分の1以上)であった。また、株式会社セブン-イレブン・ジャパンもコンビニエンスストアにおけるTC CO2システムの重要なユーザーであり、2021年3月時点で215店舗がこの技術を導入している。
2022年12月時点で、日本の産業用冷凍機分野でTC CO2システムを使用している産業用施設(主に冷蔵倉庫)は推定330カ所で、2021年に報告された260カ所から増加した。
参考
ATMOsphere Study Finds 1,895 Transcritical CO2 Sites in North America, 6,960 in Japan
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
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