2021年2月15日に開催された自然冷媒国際会議「ATMOsphere Japan 2021」にて行われた、『アクセレレート・ジャパン』賞。国内で自然冷媒・脱フロンの活動に尽力する3社・団体の功績を讃え、それぞれに表彰された。
3賞をそれぞれに授与
『アクセレレート・ジャパン』賞は、グローバルに展開する自然冷媒情報サイト『アクセレレート・ジャパン』より、2020年度の自然冷媒市場において、国内の自然冷媒市場の成長に貢献した企業もしくは個人を対象にその功績を讃え、表彰する賞として2018年度開催の「ATMOsphere Japan 2018」より行われている。
今回は、業務用分野を対象とした「2021年 業務用部門功績賞」、産業用分野を対象とした「2021年 産業用部門功績賞」、長年自然冷媒に関する活動に従事してきた企業・団体を表彰する「2021年 業界貢献功労者賞」を用意。それぞれに賞を授与した。
【業務用部門功績賞】メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン株式会社
業務用部門功績賞に輝いたのは、メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン株式会社。食のプロフェッショナルが利用する小売店舗を、25カ国で670店舗運営する同社は、グループ全体を通じて、国際的な小売業界の自然冷媒導入を牽引する役目を担っている。
脱フロンの長期的戦略も実践を続けており、日本国内ではR290内蔵ショーケースを大量に採用。炭化水素機器の活躍の幅を示す立役者として注目された。ショーケースの運用データは『アクセレレート・ジャパン』を中心に、積極的に開示。省エネ効率など他の小売業が注目する情報を、惜しみなく共有している点も評価された。
授賞式には、「ATMOsphere Japan 2021」エンドユーサーパネルにも出演した、マネジメント本部 アセットマネジメント部マネージャー 船守 健司氏が登壇した。
【産業用部門功績賞】横浜冷凍株式会社(ヨコレイ)
産業用部門功績賞に輝いたのは、ヨコレイである。同社は業界に先駆け、2000年以降自然冷媒機器の導入を実施。2020年時点において、社内で使用する設備の自然冷媒導入率を60%まで引き上げた。
また、2020年10月8日に新設を発表した「長崎県平戸市に「平戸製氷工場(仮称)」、および2021年1月20日に竣工した「福岡 ISLAND CITY物流センター」など、対外的な情報発信も積極的に行っている。
採用冷媒およびメーカーも、CO2、アンモニア、アンモニア/CO2と、設備の特徴やニーズに合わせ、幅広く機器採用をしている柔軟性も評価された。授賞式では、ビデオレターにて代表取締役社長の松原 弘幸氏が出演した。
【業界貢献功労者賞】NPO法人 全国ストップ・フロン連絡会
業界貢献功労者賞に選ばれたのは、NPO法人 全国ストップ・フロン連絡会である。同会はフロンによるオゾン層破壊、気候変動を専門に活動するNGOとして、1993年3月に(任意団体「フロンガス回収をすすめる会」として)設立。
以来、現在にいたるまで国内でさきがけて脱フロンに向けた諸問題の解決に従事してきた。その活動は一般への啓蒙活動にとどまらず、行政への働きがけまで拡大。2020年もオンラインにてセミナーを開催し、情報発信を続けていることが高く評価された。
受賞席には、同会理事であり気候ネットワーク 東京事務所長の桃井 貴子氏が出席した。