2022年11月15日、16日とブリュッセルで開催された「ATMOsphere (ATMO) Europe Summit 2022」にて、カリフォルニア州に拠点を置く圧力交換機メーカーEnergy Recoveryが登壇。同社の「PX G1300」が、CO2ベースの業務用冷凍システムのエネルギー効率を、他システムと比べて周囲温度37℃で最大25%向上できたことを明かした。
同社のCO2冷凍機プロダクトマネージャーであるジョセフ・マルケッティ氏によると、圧力交換器はシステムのコンプレッサーの負荷を減らすことで、設備投資と運用コストを削減することができます。
1992年に設立されたEnergy Recoveryの圧力交換機は、これまで海水淡水化プラントで使用されてきた。しかし、同社は最近CO2冷凍システムにもその範囲を広げている。現在までに、Energy Recoveryは約3万台のPXユニットを販売している。
COPの改善
ヨーロッパの店舗に設置されて以来、圧力交換システムはほとんどの温度でブースターシステムよりも「明らかな改善」を示していると、マルケッティ氏は話す。より穏やかな周囲温度では、圧力交換システムの効率は10%向上し、周囲温度30〜35℃では、システムのCOPは約20%向上したと説明する。
「Energy Recoveryの圧力交換機は、効率の向上を通じてシステムの総所有コストの削減に貢献します。コンプレッサーの負荷を軽減することで、PX G1300はエネルギー消費を抑え、資本支出を削減することができます。この圧力交換機によって、システムからコンポーネントを削減できる可能性があります。高圧バルブとコンプレッサーは、交換を開始する2つの機能です。新しいラックを設計する際、そのような部品を取り除くことで、コストの一部を取り除くことができるのです」(マルケッティ氏)
また、圧力交換器を導入することで、特に高温時のシステムの安定性を向上させることができるという。
米国と欧州で採用
Energy Recoveryは2022年9月に、フロリダ州オーランドで開催された「FMI(食品産業協会)エネルギー・店舗開発会議」で、「PX G1300」を初展示。現在はカリフォルニア州のスーパーマーケットで、2台目のシステムの試運転を最終調整しているところだ。本事例では、同社は既存のシステムから「PX G1300」へ更新しシステムを納入している。
マルケッティ氏によると、「PX G1300」は実質的にメンテナンスが不要で、20〜25年間は手を加えずに運転が可能だという。各圧力交換機は60〜250kWの容量に対応でき、Energy Recoveryは複数の圧力交換機を含むシステムを開発しようとしている。同社は、PX G1300装置の投資回収期間として2〜3年を目標にしている。
参考
ATMO Europe: Pressure Exchanger Found to Boost COP of CO2 Refrigeration by 25% at High Ambient Temperatures
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。
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